朝鮮王朝時代の女性たちは身分的に不利な状況に置かれていたが、その中で自分の思うとおりに欲望をかなえていった人たちもいた。そんな歴史上の人物を数多く取り上げたのが、康煕奉(カン・ヒボン)著『新版 知れば知るほど面白い 朝鮮王宮 王妃たちの運命』(実業之日本社)である。
本書には、時代劇でも強烈な個性を見せた悪女たちが登場する。そんな悪女の中で「究極の5人」をランキング形式で選んでみた。
暴君としてあまりに悪評にまみれた燕山君(ヨンサングン)の側室だった張緑水。彼女は信じられないような浪費をして、王朝の財政を破綻寸前にさせた。あまりに私利私欲に走りすぎた悪女で、最期は惨殺された。
時代劇で一番有名な悪女だ。女官から側室になり、ついに王妃にまで成り上がった。それが可能だったのは、絶世の美女だったからだ。しかし、結局は王妃から転落し、死罪に追い込まれている。
文定(ムンジョン)王后の手先になり、彼女の弟だった尹元衡(ユン・ウォニョン)と結託して悪事を働いた。さらに、鄭蘭貞は12代王・仁宗(インジョン)の毒殺に関わっているのではないか、と言われている。
21代王・英祖(ヨンジョ)の二番目の正室であった貞純王后は、イ・サンの政敵でもあった。彼女はイ・サンの後を継いだ純祖(スンジョ)が10歳で即位したので後見人となり、女帝として虐殺事件も起こしている。
11代王・中宗(チュンジョン)の三番目の正室だった文定(ムンジョン)王后は、息子の明宗(ミョンジョン)が即位すると、政治を完全に私物化して様々な悪政を行なった。問答無用で朝鮮王朝最悪の王妃であった。
以上の5人の悪女は『新版 知れば知るほど面白い 朝鮮王宮 王妃たちの運命』の中で詳しく紹介されているが、彼女たちが時代劇をとても面白く彩った存在であったことは間違いない。
文=「韓ドラ時代劇」編集部
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