BS朝日で6月23日から始まった『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』は、平日の午前8時半から10時まで放送されている。
6月25日の放送で第3話が終わった。
序盤を見て、多くの視聴者はどう思っただろうか。
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実は、序盤を見ただけで、『マイ・ディア・ミスター』を見るのをやめてしまった視聴者がいたのは事実だ。理由はわかっている。
序盤は物語が暗すぎるのだ。夜のシーンが多くて映像も明るくない。そんなわけで、暗いイメージを嫌って、見るのを続けられない人もいたのである。しかし、それは本当に惜しいことであった。なぜなら、序盤を終えて第4話くらいから、ドラマは明るさを増して、どんどん活発に動いて面白くなるからだ。
つまり、ここから『マイ・ディア・ミスター』は真骨頂を発揮してきて傑作の名にふさわしい展開になっていく。
特に面白いのが、主役を演じるイ・ソンギュンを中心とする三兄弟の人間模様だ。
二男のドンフンは大手建築会社の部長なのだが、長男のサンフンと三男のギフンは失業状態で一緒に清掃業を始める。ここから話がユニークになっていき、3人は毎日のように酒を酌み交わす。その際の兄弟愛がとても楽しい。本当に羨ましいほどの三兄弟だ。
そんな三兄弟が住んでいるソウルの後渓(フゲ)。この地元への愛着がハンパではない。「ジョンヒの店」という酒場が中心になって、情の濃い付き合いが延々と続いていく。このときのストーリーは本当に人間味があって人生のすばらしさを感じさせてくれる。
さらに、苦しい境遇に育ったジアン(IUが演じている)が当初は謎めいていてメチャ暗かったのだが、少しずつ変わってきて、人間性が垣間見られるようになっていく。
こうしてドンフンとジアンの間で年齢差を超えた心の交流が始まるのだ。
また、『マイ・ディア・ミスター』では、お節介なほど世話好きな人が次々に出てきて、人情味があるエピソードが濃密に描かれる。その一方で、ドンフンとジアンが巻き込まれる社内抗争が、物語に緊張感をもたらしてくる。
それでも、間違いなくドラマは回を追うごとに大傑作になっていく。
「途中でやめなくて良かった」
かならず、そう思わせてくれるドラマが『マイ・ディア・ミスター』なのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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