IU(アイユー)は、今の韓国芸能界で特に輝いている女性だ。
まずは、人間的なすばらしさが特筆できる。
慈善活動にとても熱心に取り組んでおり、恵まれない人たちへの支援を欠かさない。それだけで心が温かくなる。
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そして、芸能活動においてもIUは最高レベルのパフォーマンスを見せてくれる。
歌手としては申し分ない。歌唱力といい表現力といい、彼女が韓国のみならずアジア各国で人気を得ていることが、その実力を証明している。
そして、女優としても活躍が著しい。
時代劇を例に取れば、IUは『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』でたくさんのイケメン俳優とからみながら魅力的な演技を披露してくれた。特に、イ・ジュンギとの共演も華やかで多くの場面で魅了された。
このように、ジャンルを問わず女優として稀有な存在感を見せているIUだが、ヒューマンドラマとして評価が高い『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』でも、本格的にシリアスな演技にチャレンジしていた。
特に、このドラマではIUはジアンという家庭環境がどん底の女性を演じていた。誰にも頼れず、父が残した借金に苦しめられる日々が続く。
その毎日の生活は、視聴者もいたたまれない思いで見ていたことだろう。
そんな彼女が、派遣社員として勤務した建築会社で、イ・ソンギュンが演じたドンフンと出会っていく。彼もまた、希望を見いだせず鬱屈した日々を送っていた。
『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』というドラマは、二人の悩みを繊細に見つめながら、やがて周囲の人間関係によって二人の関わりが変化していく様子を丹念に描いていく。そうした展開の中で、IUが見せる演技が七変化のように多彩になっていった。
実は、このドラマの前半を撮影しているときは、IUの体調がとても悪かったという。撮影を続けられないと覚悟したというから、彼女にとってはよほど大変だったに違いない。監督の励ましによってドラマを降りなくてもよくなったようだが、そんな状況の中でIUはすばらしい演技を披露して、ドラマを傑作に導いていった。
改めて、IUの表現者としての潜在能力に感嘆する。彼女にとって『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』の主演というキャリアは、かけがえのない宝物になったことだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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