隠れた名作『マイ・ディア・ミスター』が「まれにみる傑作」と言われる理由

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6月23日からBS朝日で放送が始まったのが韓国ドラマの『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』である。

韓国で放送されたのは2018年だった。権威がある百想芸術大賞で『マイ・ディア・ミスター』は、2019年のテレビ部門作品賞を受賞した。まさに、優れた作品性が立派に証明されたのだ。

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主役は「黄金の声」を持つと評判のイ・ソンギュンと、アジア各国で抜群の人気を誇るIUである。2人の演技が本当にすばらしく、このドラマを大いに彩っている。

ストーリーを見てみよう。

イ・ソンギュンとIUの演技に注目(写真=韓国tvN『私のおじさん』ポスター)

最高の俳優陣

イ・ソンギュンが扮するパク・ドンフンは、建築会社の部長だ。とはいえ、大学の後輩が社長に抜擢され、自分は左遷させられてしまった。結局、死んだ目をして勤務を続けていたが、急に賄賂が送り付けられてくる。そんな急展開の中で、ドンフンは社内抗争にどっぷりと巻き込まれていった。

同じ会社の派遣社員が、IUが扮するジアンだ。

彼女は死んだ父が残した借金で今も苦しみ、まさにどん底の生活だった。

しかし、機転が利くジアンは、社内抗争の中で社長派に取り込まれ、反社長派と目されたドンフンの携帯電話の盗聴をやる羽目になった。

そうなると、ジアンはドンフンの私生活をのぞくことになる。そのうちに、ドンフンの誠実さがわかってきて、感情が動かされる。

しかし、盗聴の任務は続けなければならない。かくして、ジアンはドンフンに複雑な気持ちを抱くようになった。

こんな展開で『マイ・ディア・ミスター』の序盤が続いていく。

ドラマはどうしても暗い場面が多いのだが、ここで諦めてはいけない。非常に重要な伏線を語るために内容が暗くなっているのだが、序盤を過ぎるとどんどん明るい場面が増えて、抜群に面白くなってくる。

特に、ドンフンの兄弟たちの物語がとてもいい。

ドンフンの兄のサンフン(パク・ホサン)は借金まみれで、弟のギフン(ソン・セビョク)は、映画監督の落伍者だった。しかし、この三兄弟は仲が良くて、いつも飲み歩いている。その中で、家族愛や地元愛が描かれていて、ほのぼのとした場面がとても感動的になる。

こうして、創造的な脚本、センスがいい演出、最高の俳優陣が三位一体となった『マイ・ディア・ミスター』は「まれにみる傑作」になっている。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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