20年以上が経過しても、今もレジェンド作品として絶大な人気を誇っている『冬のソナタ』。このドラマが放送されたのは2002年1月から3月までだった。
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放送当時から韓国で社会的な現象を巻き起こすほどの人気だったが、ドラマが進むにつれて多くの視聴者の関心事は、「クライマックスでチュンサンの運命がどうなるのか」ということだった。
最初の構想では、ペ・ヨンジュンが演じたチュンサンが死ぬことになっていた。愛し合う2人が死によって永遠の愛を誓う、という展開を制作側は考えていた。特に、ユン・ソクホ監督は「チュンサンの死によってドラマが終わる」という結末にこだわった。
しかし、ユン・ソクホ監督の考えを激変させる出来事が起こった。ドラマの後半になってますます人気が高まり、視聴者から「チュンサンを絶対に死なせないで」という嘆願が山のようにKBSに届いてきたのだ。それはもう大変な騒動になっていた。
ユン・ソクホ監督もその反響の大きさに驚いてしまった。当時のことをユン・ソクホ監督はこう語っている。
「やはり視聴者の意見を無視するわけにもいきませんからね。たとえチュンサンが死ななくても納得がいく終わり方がないかなあ、と集中して考えるようになりました。ただし、普通のハッピーエンドにはしたくないと思っていました。いろいろ考えた末にチュンサンが失明してユジンと再会するというエンディングにすることにしました」
このドラマは全20話だったが、最後までクオリティを維持する必要があった。視聴者の興味をクライマックスまで引き付けておかなければならない。当初は制作側も違う結末を考えていたが、視聴者の強烈な希望があってチュンサンは死なないことになった。結果的には、これが本当に良かったと思える。
やはり、『冬のソナタ』が好きで何度も見返している人は、チュンサンが死ななかったことで希望を見つけることができたのである。その点では、ユン・ソクホ監督も視聴者の意見で結末を変えたことを完全に納得していた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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