俳優としても活躍しているキム・ミョンス(INFINITEのエル)が、韓国で12月から放送される『暗行御史:朝鮮秘密捜査団』で主役を演じる。
このドラマは、国王に直結した秘密捜査官の暗行御史(アメンオサ)の活躍を描くそうだが、暗行御史とは、どういう人物たちなのだろうか。
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朝鮮王朝時代の暗行御史は、地方官僚たちの不正の監視と民心の調査のために王が派遣する特使のことだ。
この暗行御史に任命されたら、事目(サモク)、鍮尺(ユチョク)、馬牌(マペ)という3つの道具を持って隠密として各地に赴く。事目は公務について書かれた本、鍮尺は死体検分に使う真鍮製の物差し、馬牌は身分を証明するものだ。この3 つを持っていれば、どの地方でも役人や警察を動員することができた。
暗行御史は身分を隠しながら悪徳役人の正体を暴こうとする。もし不正を見つけたら、馬牌を高々と掲げ、「暗行御史、出頭!」と叫んだ。すると、手配した警察が悪徳役人をつかまえるのだ。
歴史的にいえば、暗行御史で一番有名なのが朴文秀(パク・ムンス/1691~1756年)だ。
彼はもともと、歴史を編纂する優秀な官吏だった。着々と出世していったのだが、33歳のときに権力争いに巻き込まれて官職を剥奪された。幸いに3 年後に復職。以後は、暗行御史として各地を巡回し、役人たちの不正を調べた。
キム・ミョンスも、ドラマの中で朴文秀みたいな優秀な暗行御史を演じ、007 のような働きをしていくことになる。
具体的にキム・ミョンスは新しいドラマの中で、朝鮮王朝の重要な官庁である弘文館(ホンムングァン)の副修撰(プスチャン/役職)を担当するソン・イギョムに扮する。
このイギョムは昼こそ書庫を整理する官吏なのだが、夜は隠れて賭博に興じていた。しかし、それがバレてしまい、一転して暗行御使になった。仕方なく秘密捜査団の一員になった彼は、難しい事件に挑みながら人間的にも成長していくようになる。
とにかく、キム・ミョンスが仲間と一緒にワルを次々に退治していく姿は、さぞかし痛快なことだろう。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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