イ・ビョンフン監督は「韓国時代劇の巨匠」としてよく知られ、『宮廷女官チャングムの誓い』『イ・サン』などの名作を数多く手がけている。その中でも日本で特に受けている時代劇が『トンイ』である。このドラマに登場する4大キャラクターを史実に基づいて格付けしてみると、4人の中で誰が1位になるだろうか。
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●史実による格付け/4位「張禧嬪(チャン・ヒビン)/イ・ソヨン」
張禧嬪はただの悪女ではなかった。非常に知性もあり、今までの時代劇とはちがって『トンイ』での張禧嬪の描き方は深みがあった。つまり、張禧嬪の人間性を深く掘り下げていたのだ。それでも、「朝鮮王朝三大悪女」の1人として数えられていて評判が悪い。彼女は絶世の美女だと伝えられているが、性格がわがまますぎたのだ。
一介の宮女から粛宗(スクチョン)の側室になり、さらに王妃まで登り詰めた。しかし、再び側室に降格し、最後は仁顕(イニョン)王后を呪い殺した罪を問われて死罪となっている。そういう意味でも救いようがない悪女であり、4大キャラの中で一番ランキングが低いのも仕方がないと言える。
●史実による格付け/3位「トンイ/ハン・ヒョジュ」
トンイというのはドラマ用に作られた名前であり、実在のモデルとしては淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)と呼ばれている。ドラマでの彼女は本当に明るくてハツラツとした性格であったが、実際の淑嬪・崔氏はどういう女性だっただろうか。
史実を見ると裏表が多いタイプであり、激しい派閥闘争の中で張禧嬪に対抗する女性として選抜されて粛宗の側室になっている。そして、仁顕王后が亡くなった時に「張禧嬪が呪詛(じゅそ)していた」と告発して、ライバルの張禧嬪を死罪に追い込んだ。史実の淑嬪・崔氏は、ドラマのように快活な性格ではなかったようだ。
むしろ王宮の裏で暗躍するような動きを随所に見せている。それだけに、史実での格付けは3位にならざるを得ない。
●史実による格付け/2位「肅宗(スクチョン)/チ・ジニ」
チ・ジニが肅宗を理性的に演じていて、とても好評だった。実際、理解力に優れた国王として描かれていた。『朝鮮王朝実録』の記録を見ていくと、とにかくよく喋る。女性問題でトラブルを起こすたびに高官たちに諫められるのだが、それでも言葉巧みに自分の主義を押し通している。とても弁が立つし、頭の良さを感じ取れる。
政治家としての功績も多い。経済を活性化させて国防を強化し、庶民の生活に役立つ政策も行っている。名君と呼べるかもしれない。それだけに、格付けランキングの2位になっても不思議ではない。
●史実による格付け/1位「仁顕(イニョン)王后/パク・ハソン」
『トンイ』のキャラクターの中で、史実で最も評価されているのが仁顕王后だ。彼女はとても性格が良く、王宮の中で誰からも好かれていた。性格が悪かった張禧嬪とは対照的だった。
けれど、結局は粛宗に嫌われて王妃の座から落とされ、実家に帰された。その時、仁顕王后は「私は罪人ですから」と言って実家の一番奥に潜んで質素に暮らしていた。
その後再び王妃として復帰したのだが、聖女のように慕われた。惜しくも若くして亡くなってしまったが、死後も彼女のイメージは不変だった。間違いなく、仁顕王后こそが格付けでナンバーワンだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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