Netflixでも配信中の『家いっぱいの愛』。全12話の配信が終わったが、このドラマはチ・ジニが演じたキャラが本当に興味深かった。
【関連】『チャングム』のチ・ジニが役者として憧れている存在とは誰なのか
彼が演じたのは、かつてのプロ野球のスター選手だったピョン・ムジン。現役時代は華やかな存在だったのだが、引退後は何をやっても失敗ばかり。ついには妻クム・エヨン(キム・ジス)の食堂まで潰してしまい、家族から完全に見放されてしまった。
その末に行方不明になり、みんなから死んだものと思われていた。それなのに急に戻ってきて、一転して金持ちになって周囲を驚かせた。しかも、家族が住んでいるマンションの新しいオーナーになり、以前のダメ男とは別人のように変わっていた。
果たして、ムジンはどのようにして資産を築いたのか。
そこが一番肝心なところなのだが、以前のダメ男ぶりから察すると、怪しいやり方で資産を築いたのに違いない、と思われていた。そんなムジンだが、ドラマが進むにつれて、とても謙虚で努力家であることがわかってくる。彼のことを毛嫌いしていた娘のミレ(ソン・ナウン)やエヨンも、徐々にムジンを見直していくようになる。
つまり、ムジンはどん底だった自分の立場を一気に上昇させたのだ。それは彼自身が努力を積み重ねていったからだ。彼の願いは、エヨンとヨリを戻すこと、そして、かつての家族の絆を深めることなのだ。こうしたムジンのキャラクターはとても好感が持てる。
今までチ・ジニは様々な役を演じてきたが、好感度が高いキャラの白眉は、『宮廷女官チャングムの誓い』のミン・ジョンホだ。彼ほど誠実で、信頼できる男はいなかった。
それに比べて、『家いっぱいの愛』のムジンはどうなのか。
当初はどうしようもない男だったのだが、努力を積み重ねてキャラをどんどんアップさせていた。実際、ムジンは20年前にチ・ジニが演じたミン・ジョンホのように、周囲から信頼される男になっていた。そういうキャラが主人公になっているので、『家いっぱいの愛』は好感度が高いドラマに仕上がった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
■【関連】チ・ジニ、「もう時代劇は撮らない」と宣言した理由は?
前へ
次へ