【『チャングム』が示す中国外交】朝鮮王朝はそこまで明に従属していたのか

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テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『宮廷女官チャングムの誓い』。7月12日の第18話においては、ヒロインのチャングム(イ・ヨンエ)が、明(みん)の使節の料理をまかされる場面が描かれていた。

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使節は長旅で糖尿病を悪化させているので、チャングムが野菜中心の料理を出した。もし美味しくなければ、チャングムが明の方式で罰せられるという大ピンチを迎えていた。

こうした場面を見ていても、朝鮮王朝がいかに明に気を使っていたかがわかる。今回の使節も、世子の承認という重要な任務を受け持っていた。そこまで、朝鮮王朝は明に対して臣下の礼を尽くしたのだろうか。

朝鮮王朝は外交の方針として事大主義を採用していた。事大主義というのは「大に事(つか)える」という意味であり、この場合の「大」は中国である。つまり、中国を一番の大国と認めて、朝鮮王朝は一歩下がった立場を取っていた。

それゆえ、中国の「皇帝」を唯一の絶対君主と考え、朝鮮王朝は皇帝より格が一つ落ちる「国王」と称していた。そこで、朝鮮王朝の家臣たちも、国王に対して「陛下(ペハ)」ではなく「殿下(チョナ)」と呼んでいたのである。それが、朝鮮王朝なりに小さな国が大きな国を崇める方法だった。

チャングムの誓い
中宗(チュンジョン)も明の意向には逆らえなかった

小国が生き残る唯一の道

中国の干渉は様々な面で朝鮮王朝に影響を与えていた。たとえば、朝鮮王朝が世子を決めるときにも、当時の中国を支配していた明に報告し、その承認を受ける必要があった。

さらには、世子の候補によっては明が承認をしないこともあり得た。そのために、『宮廷女官チャングムの誓い』の中で中宗(チュンジョン)も明が世子を認証してくれるかどうかをしきりに心配していたのである。

朝鮮王朝としては、事大主義を採用している以上、明の意向を最大限に尊重する必要があった。それが、小国が生き残る唯一の道だったのだ。そのあたりの両国関係を『宮廷女官チャングムの誓い』もわかりやすく描いていた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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