コメディ系の時代劇『哲仁王后~俺がクイーン!?~』には、愉快なキャラクターがたくさん登場するが、シン・ヘソンが演じる王妃のそばに付いているホンヨンも愛すべき人物である。チェ・ソウンが明るく演じている。
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ホンヨンは、王妃が子供の頃から世話をしている侍女だ。王妃とは本当に長い付き合いなので、彼女のことは何でも知っている。そういう意味では、本当に頼りになる女性なのである。
王妃のように高貴なお方は、王宮に入るときに実家で働いていた侍女をよく一緒に連れてくる。ゆえに、ホンヨンは今も王宮で王妃の身のまわりの世話をしている。
もう1人、王妃のそばに付いている女性がチェ尚宮(サングン)だ。芸達者のチャ・チョンファがユニークに演じているが、彼女はホンヨンと立場がまったく違う。なにしろ、幼いときから王宮で奉職している正真正銘の女官だからだ。
女官は、通常は5歳から10歳くらいまでに王宮に入ってきて、見習いとして厳しい修業を積み、20歳前に正式な女官となる。以後は、勤続年数に応じて身分が昇格していき、最高の役職となるのが尚宮(サングン)だ。
これは正5品の品階であり、それより上の従四品から上位はすべて側室の品階となる。つまり、王宮で働く女官の場合は、尚宮以上の役職はないのだ。ひょうきんに見えるチェ尚宮も実は最上位の役職を持っていたのである。
しかし、ホンヨンは違う。女官ではなく侍女なので、肩書は何もない。扱いとしては「下働き」という立場になる。
そういう彼女が、女官として最高位の尚宮と一緒に王妃のそばに密着している。ホンヨンとしてもかなり気をつかわなければならないだろうが、ホンヨンはとても朗(ほが)らかな性格で、王宮の中で人間関係もうまくいっていそうだ。
なお、恋愛に関しては侍女と女官は決定的な違いがある。女官は立場上「国王と結婚した女性」と見なされるので、他の男性との恋愛は厳禁だ。もし発覚すると厳罰に処される。しかし、侍女は女官でないので、恋愛に対する禁止事項は特にない。ドラマの中でも、ホンヨンの恋愛を描く場面もある。彼女はきっと王宮の中で「愛されキャラ」であったことだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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