イ・ジュノが「イ・サン」と呼ばれた22代王・正祖(チョンジョ)を演じた『赤い袖先』は、「時代劇の傑作」として後世に残るドラマだ。
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実際、世孫(セソン/国王の正式な後継者となる孫)の時代のイ・サンは、将来の名君を予感させるほどに立派な後継者であり、イ・ジュノも知性的に演じて好評を博した。
それでも、ドラマでは世孫が国王になるまでの苦難が描かれたが、一番の強敵だったのは、ソ・ヒョリムが扮した和緩(ファワン)翁主(オンジュ)であった。
和緩翁主は、イ・サンの祖父であった英祖(ヨンジョ)の娘であった(翁主というのは、国王の側室が産んだ王女のことを指している)。
彼女はもともと、イ・サンの父親であった思悼世子(サドセジャ)の妹なのだが、2人は仲が悪かった。結局、思悼世子は素行の悪さが致命傷になって米びつに閉じ込められて餓死したが、その際に和緩翁主は兄を陥れる行動を取ったと言われている。
そのために、イ・サンは叔母の和緩翁主を嫌悪していた。そのことは彼女のほうも十分に承知していて、和緩翁主はイ・サンの世孫という立場を廃する動きを見せる。
そのあたりは『赤い袖先』の前半でたっぷり描かれていて、見ていた視聴者も和緩翁主が登場する場面では、かなりハラハラしたのではないだろうか。
ちなみに、ドラマ『イ・サン』ではソン・ヒョナが和緩翁主を演じていたが、悪女といっても品の良いふるまいも見せていた。しかし、『赤い袖先』で扮するソ・ヒョリムは、表情全体が「いかにも恐ろしい悪女」という雰囲気で演じていて迫力があった。
彼女はドラマの中で敵意をむきだしにしてイ・サンを責め立てる。そこで見せたのは、王族女性のプライドを捨てるほどの憎悪であった。
それに対して、イ・サンは理知的に対応していたが、それも限度があることだった。彼も反撃せざるをえないのだ。
これから『赤い袖先』を見る視聴者は、ぜひイ・サンと和緩翁主の壮絶な対決に注目してみよう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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