韓国・江華島(カンファンド)を歩いていると、韓国がどのようにして国を開いたかという足跡を辿ることができるので、興味が尽きない。
そのうえ、江華島の歴史探訪の魅力は他にもある。青銅器時代からこの地には、しっかりとした部族集団が生活していた。
そのことを示すのが、島内各地に点在する支石墓である。公園として整備されている島北部の支石墓は、特に有名だ。
一般に支石墓は、石の柱の上に、テーブル状の石を載せた北方式と、石の柱は地下にあり、地上部は大きな石をドンと置いた形になっている南方式がある。
江華島にはその両方があるが、多いのは北方式だ。島北部の支石墓は、教科書に出てきそうな、これぞ北方式という形をしている。江華島の支石墓は、世界文化遺産に登録されている。
韓国の建国神話である「檀君(タングン)神話」の時代も、青銅器時代とされている。
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そして、島の南側にある標高468メートルの摩尼山(マニサン)は、民族の始祖とされる檀君が祭祀を行った所とされている。
山頂には塹城壇(チャムソンダン)という祭壇があり、韓国の国体である全国体育大会の聖火が採火されるほか、日本の建国記念日に相当する開天節の時は、式典が催される。
文・写真=大島 裕史
大島 裕史 プロフィール
1961年東京都生まれ。明治大学政治経済学部卒業。出版社勤務を経て、1993年~1994年、ソウルの延世大学韓国語学堂に留学。同校全課程修了後、日本に帰国し、文筆業に。『日韓キックオフ伝説』(実業之日本社、のちに集英社文庫)で1996年度ミズノスポーツライター賞受賞。その他の著書に、『2002年韓国への旅』(NHK出版)、『誰かについしゃべりたくなる日韓なるほど雑学の本』(幻冬舎文庫)、『コリアンスポーツ「克日」戦争』(新潮社)など。
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