『馬医』歴史解説!朝鮮王朝時代の医学書ベスト5とは?

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テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『馬医』は、医療をテーマにした時代劇ということで、それに関した物や医術、医療機関などがたくさん出てくる。

医学書もその中の1つなのだが、朝鮮王朝時代にはどんな医学書が存在していたのか。

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数ある医学書の中でもよく知られているのは「東医宝鑑(トンイポグァン)」だろう。

朝鮮王朝14代王・宣祖(ソンジョ)の主治医だった許浚(ホ・ジュン)が完成させたもので、全部で25巻ある。

『馬医』の中で医学書はどんな場面で(写真提供=韓国MBC『馬医』ポスター)

様々な種類の医学書

ちなみに、許浚はドラマで描かれることも多く、1990年の『東医宝鑑』や1999年の『ホジュン 宮廷医官へ飲み』、2013年『ホジュン~伝説の心医~』などに登場する。

彼の書いた「東医宝鑑」によって多くの人の命が救われたため、この医学書は現代にも受け継がれており、日本や中国、ヨーロッパにまで伝わったり、2009年にユネスコの世界記録遺産にも登録された。

この「東医宝鑑」以外にも『馬医』の中で登場する医学書が4つある。それは以下のとおりである。

1、「救急方(クグプパン)」…朝鮮王朝の初期に刊行された医学書で、応急処置の必要な症状やその治療法が記されている。

2、「郷薬集成方(ヒャンヤクチプソンバン)」…「郷薬」とは朝鮮産の薬剤のことで、各種の疾病、薬の製造法、鍼灸法、郷薬本草とその炮製法などの処方が記されている。

3、「医方類聚(ウィバンユチュイ)」…朝鮮や中国の医学書を参考にして編纂された医学書の集大成とも言える書物。

4、「治腫指南(チジュンジナム)」…この医学書は腫瘍に関する外科の専門書。朝鮮王朝時代の外科術を進歩させた。編纂したのは13代王・明宗(ミョンジョン)の時代に存在した医師とその弟子である。

以上のように、医学書と一言で言っても様々な種類がある。

上記で紹介した医学書は、今後の物語の中にも登場するかもしれないので、ぜひ注目してみよう。

文=大地 康

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