『馬医』で知っておきたい朝鮮王朝の医療制度と官庁の役割とは?

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現在、テレビ東京の韓流プレミアで放送されている時代劇『馬医』。

このドラマは、朝鮮王朝時代中期に実在したペク・クァンヒョン(白光炫)の一代記を描いた作品だが、朝鮮王朝の医療制度はいったいどうなっていたのだろうか。

朝鮮において、高麗時代にはすでに医療を司る官庁が存在しており、それが朝鮮王朝に入ると、「内医院(ネイウォン)」「典医監(チョニガム)」「恵民署(ヘーミンソ)」として整備されたが、それぞれ担っている役割は以下のとおりである。

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・「内医院」…王族の医療を担当する所で、宮廷内で使う薬の調合をしたりする。

・「典医監」…医療行政の中枢を担う機関で、宮廷へ供給される医薬品の管理をしていた。

・「恵民署」…各地方から集められた薬剤の収納管理を担当していた。1467年からは治療も行なっている。

『馬医』の主人公ペク・クァンヒョンは物語の中でどう成長していくのか(写真=2012-2013 MBC)

馬医は最下層の身分だった

朝鮮王朝時代の治療は、中国で確立された東洋医学をもとに行なわれており、17世紀の朝鮮王朝に実在していた名医・許浚(ホ・ジュン)が書いた医学書「東医宝鑑(トンイポグァン)」が、その後の治療の指針になっている。

しかし、朝鮮王朝が儒教を基盤としていたこともあり、たとえ医者であろうとも夫以外で女性の体に触れることは許されなかった。
そのため、診察を受けることができずに亡くなる女性が多かった。

それを解消したのが、朝鮮王朝3代王の太宗(テジョン)だ。

彼は女性の診療にあたる人材を育成するために、官庁の使用人の中から優秀な少女を選抜した。これが医女制度の始まりである。

ちなみに、医女のことに関しては女優イ・ヨンエが主演した『宮廷女官 チャングムの誓い』で描かれている。

しかし、他人の体に触るのは卑しいことだとされていたため、医女に選ばれた女性たちはみんな身分が低かった。

ちなみに、ドラマで主人公ペク・クァンヒョンが就いていた職業・馬医も最下層の身分に分類されていた。

果たして、これからの物語の中でクァンヒョンはどう成長していくのだろうか。

文=大地 康

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