テレビ東京の韓流プレミアでは面白い時代劇が次々に放送されているが、5月24日からは『馬医』が始まる。なんといっても「時代劇の巨匠」と言われるイ・ビョンフン監督が満を持して制作したのが『馬医』であった。
この監督は『宮廷女官 チャングムの誓い』『イ・サン』『トンイ』であまりに有名だが、今度は朝鮮王朝時代の獣医学という珍しい題材を生かして『馬医』を制作した。
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このドラマの主人公はペク・クァンヒョン(白光炫)であり、朝鮮王朝後期に実在した獣医であった。彼は鍼によって馬の治療を成功させ、その技術を人間の臨床にも生かすようになった。そして、王族の腫物を除去する上で多大な貢献をして、やがては国王の主治医にまで出世していった。
とはいえ、もともとの身分は最下層の出身だった。そのために、様々な制約を受けるのだが、苦難を乗り越えてクァンヒョンは大きく成長していく。こういう大成するキャラクターはイ・ビョンフン監督のドラマの重要な要素であり、クァンヒョンはまさに申し分のない主人公だった。
このクァンヒョンを演じたのは、映画とミュージカルでトップクラスの活躍をしていたチョ・スンウだ。彼は軽妙洒脱な演技で難しい主人公を的確に演じきって、MBC演技大賞を受賞するほど高く評価された。
そして、クァンヒョンの強力なサポーターになる医女のカン・ジニョンに扮するのがイ・ヨウォンだ。
彼女は『善徳女王』のヒロイン役であまりに有名だ。そんな人気女優が今度は医女となってチョ・スンウと呼吸をばっちり合わせた。
さらに、イ・ビョンフン監督作品に必須の「ファミリー」も多数出演している。『イ・サン』で英祖(ヨンジョ)を演じた超大物俳優のイ・スンジェ、『イ・サン』で主人公の重要な側近に扮したハン・サンジンなども加わり、キャストが本当に豪華になった。
そして、ドラマの冒頭にあった牧場のシーンは従来の時代劇をはるかに超えるスケールで撮影されており、映像には斬新な手法がたくさん取り入れられていた。こうして、作品性が高く評価されたのだ。
全50話で構成されている『馬医』は、ストーリー、キャスト、映像、演出が見事にマッチした最高級のドラマである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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