ファン・ジニは、朝鮮王朝時代に女流詩人として活躍した実在の女性である。なにしろ、韓国の国語の教科書にファン・ジニが作った詩が掲載されている。文学者としても超一流だったのだ。
そんなファン・ジニの人生を描いたのがドラマの『ファン・ジニ』であり、ハ・ジウォンが主演した。
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ドラマの中で奴生(キーセン)となっていたファン・ジニが踊りを美しく舞う場面を、ハ・ジウォンも華麗に演じきっていた。まさにドラマ『ファン・ジニ』は、傑作という評価にふさわしい時代劇だった。
実在のファン・ジニはどういう人だったのか。
残念ながら生年と没年は詳しくわかっていない。とはいえ、11代王の中宗(チュンジョン)が統治していた16世紀前半に生きていたことはわかっている。その中で、ファン・ジニが16歳のときのエピソードがとても有名である。
実際、ファン・ジニがあまりにも美しすぎて一目ぼれする男たちが次々に現れてきた。必然的にファン・ジニに求婚する男性もいたのだが、母親がまったく相手にしなかった。それゆえ、恋に破れて絶望する男たちも多かった。
ある日の出来事である。自宅の前があまりにも騒々しいので不思議に思ったファン・ジニが外に出てみると、棺を乗せた台車が通りかかろうとしていた。誰の棺かと聞いてみると、ファン・ジニに惚れぬいた末に病気で死んでしまった若者が棺におさめられているという。その話を聞いて、ファン・ジニは心から驚いてしまった。
さらにビックリすることが起きた。棺を乗せた台車がファン・ジニの前でまったく動かなくなってしまったのだ。台車を押す人がどんなに力を入れても動かない。
ファン・ジニは、亡くなった若者を本当に不憫に思い、自分が身につけていた上着を棺の上にかけてあげた。それがファン・ジニの優しい気持ちだったのだ。
すると、不思議なことが起こった。まったく動かなかった台車が再び前へ進みだしたのだ。まるで、ファン・ジニの気持ちが通じたかのような出来事だった。
このエピソードは、ファン・ジニの美しさを象徴するときに使われる。
ドラマ『ファン・ジニ』でも、第9話でこのエピソードが描かれている。亡くなった若者は上流階級の青年ウノであり、チャン・グンソクが演じていた。
こうしたエピソードを見ても、ファン・ジニがいかに絶世の美女であったかがわかる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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