女優ハ・ジウォンは『ファン・ジニ』と『奇皇后』の大ヒットによって、時代劇で輝いた女優として定評がある。
そんな彼女が、最初に時代劇で実績を残したドラマが『チェオクの剣』であった。
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このドラマは原題が『茶母(タモ)』と言う。時代劇で「茶母」といえば、朝鮮王朝時代の女刑事のことだ。ハ・ジウォンは女刑事のチェオクに扮し、派手なアクションで縦横無尽の活躍をしたり、時代の制約を受けながら恋のバトルを繰り広げた。
特に『チェオクの剣』が大注目を集めたのは、韓国ドラマ史上で最初に試みられたヒュージョン時代劇だったことだ。それ以前の時代劇では見られなかった斬新な撮影技法を果敢に取り入れている。
また、大型の映画作品で使われるような高画質カメラで撮っているため、リアリティあふれる映像がふんだんに見られた。
このドラマの主役は3 人。ハ・ジウォンの他は、チェオクを愛する警察官吏ファンボ・ユン役のイ・ソジン、謀反派を率いるソンベク役のキム・ミンジュンだ。
韓国の人里はなれた奥地で撮影したため、ロケには困難が多かった。そういう事情があって、出演が決まっていた男優の辞退が相次ぎ、キャスティングにかなりの混乱が起こってしまった。
たとえば、主役の1 人であるファンボ・ユン役の俳優が降りてしまい、もともとソンベク役であったイ・ソジンがファンボ・ユンとなり、モデル出身のキム・ミンジュンがソンベクの役についた。
こうしてやる気がある俳優だけが残ったのでアクションシーンは迫力満点だった。特に、ハ・ジウォンは体当たりの演技を披露して大好評だった。
それ以前の彼女はどんな女優だったのか。
1997年にドラマデビューしたハ・ジウォンは、ドラマ、映画に出演しながら歌手としても活動するという万能エンターテイナーだった。
特に、20代前半のときのハ・ジウォンは、個性ある容姿で注目を集めた。
一時はホラー映画に立て続けに出演し、ホラークイーンというニックネームまで付けられたほどだった。彼女は、固定したイメージを打破しながら自分の演技を磨き上げたのだ。
こうして2003年に『チェオクの剣』で主役となり、その年にMBC 演技大賞で最優秀賞、人気賞、ベストカップル賞を受賞してすべての栄光を手にした。
ハ・ジウォンの俳優人生を振り返ると、『チェオクの剣』が大きな転機になったことは間違いない。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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