『暴君のシェフ』ヨンヒ君=ヨンサングンの母の死の真相。知っておきたい「史実」

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Netflixで大人気となっている『暴君のシェフ』で、ソ・イスクが演じるインジュ大王大妃は、史実の仁粋(インス)大妃を彷彿させるキャラである。そうであるなら、燕山君(ヨンサングン)の母との悪縁が重要になってくる。 

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実際、『暴君のシェフ』の中でイ・チェミンが演じる国王イ・ホンは、母がインジュ大王大妃によって死罪になったと疑っている。そういう展開になっているだけに、史実における「燕山君の母と仁粋大妃の関係」はぜひ知っておきたいことだ。

まず、9代王・成宗(ソンジョン)は数多くの業績を残した名君だったが、同時に、宮廷に暗い影を落とす事件を幾度も引き起こした。その最大の悲劇こそが、燕山君の母である尹氏(ユンシ)との愛憎物語だった。

成宗が12歳で結婚した時の妻は恭恵(コンヘ)王后。しかし、政略的な結婚だったために、成宗は彼女を愛することができなかった。とはいえ、成宗の母の仁粋大妃は恭恵王后をとても可愛がっていた。

その恭恵王后が18歳で亡くなってしまった。後継者を授からないまま残された成宗は、尹氏を新たに正室に迎えた。しかし、仁粋大妃は尹氏がまったく気にいらなかった。「育ちが悪すぎるし、性格もよくない」というのがその理由だった。仁粋大妃はあまりに恭恵王后に好感を持っていたので、性格がまるで違う尹氏に露骨に嫌悪感を示すようになった。

『暴君のシェフ』
『暴君のシェフ』でソ・イスクが演じたインジュ大王大妃 (写真=韓国tvN)

朝鮮王朝に影を落とす悲劇

それほどに姑から嫌われていた尹氏だったが、1476年に男子を産んだ。後の燕山君であった。尹氏は王子が生まれてますます傲慢さを募らせた。彼女は成宗に近づこうとする女官たちを執拗に妬み、陰湿な嫌がらせを繰り返した。

我慢ができなくなった女官たちは、仁粋大妃に助けを求めた。仁粋王后は成宗に尹氏の悪行を告げ、距離を置くよう諭した。逆らえない成宗は、次第に尹氏を敬遠するようになった。

自尊心の強い尹氏はついに、自室に呪詛(じゅそ)の文言を書き連ねた本と毒薬を持ち込み、呪いの儀式を行おうとした。そのことが成宗にも露見した。

怒りに震えた彼は、尹氏を謹慎処分にした。それなのに、尹氏は成宗の顔を引っかくという不敬罪も起こしていた。仁粋大妃が激怒して尹氏を廃妃にして宮中から追放した。

その後、1482年に尹氏は死罪となった。尹氏の死の物語は、やがて朝鮮王朝に破滅的な影を落とす悲劇の序章になってしまった。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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