『暴君のシェフ』がもっとわかりやすくなる用語解説「高官たちの呼び名と役回り」

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Netflixで配信中の『暴君のシェフ』。このドラマを見ていると、王族の呼び名や官僚たちの役職など、やたらと頻出用語が多いことに気づく。韓国時代劇の初心者やビギナーには聞き慣れない専門用語ばかりで、その場は聞き流しても(字幕を読み流しても)、いまひとつわからずしっくり来ないことも多いのではないだろか。

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特に難しいのが、官僚たちの役職名と役回り。そこで今回は『暴君のシェフ』で頻出する政治形態用語についてサクッとわかりやすく解説しよう。ドラマをより一層楽しむための副読本教材になってくれれば幸いだ。

まず、朝鮮王朝の政治形態について触れておこう。

政治の最高機関は「議政府(ウィジョンブ)」である。トップに君臨するのが領議政(ヨンイジョン)であり、ナンバー2が左議政(チャイジョン)と右議政(ウイジョン)だ。以上の3人が行政のトップ3である。今風で言うなら領議政は総理大臣、左議政と右議政は副総理だと考えればよい。

『暴君のシェフ』ではハン・ミンソン領議政(ソン・ジョンハク扮)、パク・ウォンジュン左議政(クォン・テウォン扮)、ソン・インジェ右議政(チョ・スンヨン扮)がトップ3を務めている。

議政府の行政機関は「六曹(ユクチョ)」に分かれていた。その構成が次の通りだ。
◆吏曹(イジョ)………文官の人事などを取り仕切った。
◆戸曹(ホジョ)………徴税と財政などを担った。
◆礼曹(イェジョ)……儀礼と外交と科挙などを担った。
◆兵曹(ピョンジョ)…軍務を管轄して武官人事を担当した。
◆刑曹(ヒョンジョ)…法務を担い刑罰を実行した。
◆工曹(コンジョ) …土木事業を管轄した。

これらの機関の長官級クラスを「判書(パンソ)」と呼び、次官クラスを「参判」と呼んだ。『暴君のシェフ』ではイム・ソンジェの父イム・ソホン(ナム・ギョンウプ扮)は「工曹参判」となっている。

息子イム・ソンジェの役職は「都承旨(トスンジ)」。王命を取り仕切る役職で今風に言えば秘書室長的ななポジションとなる。

(画像=tvN『暴君のシェフ』)大王大妃と都承旨イム・ソンジエ)

この都承旨が属するのが承政院(スンジョンウォン)という官庁で朝鮮王朝にはそのほかにも以下のような中央官庁があり、『暴君のシェフ』でもしばし登場するのでその名と役目は覚えておきたい。


●承政院(スンジョンウォン)…王の秘書役で特に王命を取り仕切る機関。
●義禁府(ウィグムブ)…………王命に従って罪人を取り調べる機関。
●司憲府(サホンブ)……………官僚の不正を糾弾して風紀を守る機関。
●司諫院(サガウォン)…………王に諫言して政治の非を指摘する機関。
●弘文館(ホンムングァン)……宮中の経籍を管理して国王の諮問に備えた機関。
●芸文館(イェムングァン)……王命を記した文書を記録・管理した機関。
●春秋館(チュンチュグァン)…朝鮮王朝の歴史を記録して整理を担当した機関。
●漢城府(ハンソンブ)…………首都の司法と行政と治安維持を担った機関。
●成均館(ソンギュングァン)…朝鮮王朝の最高学府で儒学の振興を担当した機関。。

以上の用語は『暴君のシェフ』を見ていると、本当によく出てくる。これらを知っておくとドラマの世界観がさらに詳しくわかるだろう。

文=韓ドラ・時代劇.com編集部

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