K-POPだけじゃない!人気再熱で若い世代も楽しむ韓国版演歌「トロット」の世界

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韓国の音楽と言えばアイドルが歌って踊る「K-POP」をまず思い浮かべる人が多いと思うが、実は最近人気が再燃しているジャンルがある。それは…「トロット」!そこで今回はトロットの基礎知識や人気番組について紹介していきたいと思う。

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【トロットとは?】

韓国を代表する大衆音楽であり、音楽ジャンルのひとつ。1960~70年代に確立したジャンルで、「韓国の演歌のようなもの」として知られているが、実は演歌とは少し違うといわれている。

1930年代、日本統治下の朝鮮に伝わった演歌などの音楽が源流にあるのは確かだが、1960年代にアメリカから韓国にロックやポップスが流入し、さらに多様な海外音楽が加わるなかで、独自のスタイルへと発展したとのこと。たしかに、日本の演歌のように強くコブシを効かせている歌唱法は使われていない。演歌というよりは「昭和歌謡」に近いように思う。また、はっきりとした定義があるわけではなく、まさに韓国で独自に育った音楽文化なのだ。

韓国では長らく、文化産業の保護や歴史的背景による国民感情の観点から、テレビやラジオで日本の音楽が流れることはほとんどなかった。1998年に韓国で日本の大衆文化が段階的に開放されてからも、日本語の楽曲を放送したり、コンサートで日本語の歌を披露したりすることに対しては以前と変わらないどこか引け目を感じてしまう空気感が漂い続けていたそう。しかし、一方で開放前から海賊版などを通じて密かに日本の音楽を聴き、親しんでいた人々は多かったとのこと。

【人気番組も誕生!】

韓国でのさまざまなトロットオーディションを成功に導き、トロットブームが巻き起こった裏には3人のキーパーソンの存在があった。それが、プロデューサーのチョン・チャンファンプ氏とソ・へジン氏、そして放送作家のノ・ユン氏だ。この最強チームが手掛けた『明日はミストロット』『明日はミスタートロット』は、最高視聴率35.7%を記録。番組からはイム・ヨンウン氏らトップスターが誕生し、国民的ブームへと発展していった。

(写真提供=OSEN)

▼イム・ヨンウン ~トロットブームを代表するスター~

存在が広く知られるようになったのは、2019~2020年にケーブル局・テレビ朝鮮で放送されたサバイバルオーディション番組『明日はミスタートロット』での優勝がきっかけ。国民投票で773万超の票を獲得し、1位に輝いた。

実は2016年に『憎い』でデビューしていたイム・ヨンウンだが、本格的に注目を浴びたのは『ミスタートロット』以降。音楽番組で1位を獲得したり、フルアルバムをリリースし、初週で110万枚を売り上げて、韓国男性ソロ歌手史上最高記録を打ち立てるなど、まさに破竹の勢い。収録曲はトロットだけでなく、バラード、ロック、ジャズ、ヒップホップと多彩なのも特筆すべき点だ。

▼大盛況だった『日韓歌王戦』

(画像=MBN)

『現役歌王シリーズ1』で入選した歌手と『トロット・ガールズ・ジャパン』でTOP7に入った歌手が、2024年の4月2日~5月7日の間、全6回にわたって韓国のMBNで放送された『日韓歌王戦』でバトルを繰り広げた。日本からは、東亜樹さん、歌心りえさん、かのうみゆさん、住田愛子さん、natsucoさん、福田未来さん、MAKOTO.さんが参加。この番組に出演したことで韓国での人気が爆発した。

特に、歌心りえさんの『道化師のソネット』や『雪の華』は、記事を執筆した2025年8月時点でYouTubeでの再生回数が1000万回超えを記録するなど、人気の高さがうかがえる。恥ずかしながら、トロットを調べていくなかで初めて耳にしたアーティストの方、そしてこの記事を執筆するためにYouTubeで色々な動画を見て歌を聴いたのだが、歌心りえさんの歌を聴いて知らずのうちに泣いてしまっていた。自分にとって、すっと心に入ってきて聞き終わった後に清々しい気持ちになれるような歌声だったのだと思う。昭和100年と日韓国交正常化60周年の節目となる2025年には、カバーアルバム『SONGS(歌)』と『HEARTS(心)』が発売されたとのこと。こちらもぜひ聴いてみたいと思う。

また、2025年9月に韓国で放送がスタートする『2025 日韓歌王戦』にも注目したい。こちらは『現役歌王JAPAN』のTOP7と韓国の『現役歌王』TOP7が、それぞれの国の代表として音楽対抗戦を繰り広げていく予定だ。

1981年に発売された近藤真彦氏の『ギンギラギンにさりげなく』や、テレサ・テン氏の『時の流れに身をまかせ』が上記の番組で歌われたり、NewJeansのメンバーである、ハニ氏が松田聖子氏の『青い珊瑚礁』を歌ったり、中森明菜氏のアルバム収録曲『OH NO,OH YES!』をBTSのジョングク氏やV氏が好きだと公言したりするなど、昭和歌謡やトロットブームの流れはK-POPにも確実に広がりを見せている。日本でも平成レトロブームなど、ひと昔前に人気を博していたものが再びブームに。もしかしたら、トロットが日本の若者の間で流行る日もそう遠くないのかもしれない。

(文=豊田 祥子)

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