朝鮮王朝史上、もっとも凄惨な王位はく奪事件とされる“癸酉靖難(ケユチョンナン)”。
幼い国王・第6代王・端宗(タンジョン)の叔父にあたる首陽大君(スヤンテグン)が、金宗端(キム・ジョンソ)ら重臣たちを殺害して政権を奪取して第7代王・世祖(セジョ)となるそのクーデターは、これまでもドラマや映画になってきたが、ここに紹介する映画『観相師-かんそうし-』は、そのアプローチが面白い。
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顔を見るだけでその人の性格や寿命まで見抜くことができる天才・観相師を軸にしながら、当時の人々の壮絶な生き様を描いた作品なのだ。
主人公の観相師ネギョンには、韓国の国民的俳優ソン・ガンホ。暴君・首陽大君には二枚目実力派のイ・ジョンジェ、金宗端には大ベテランのキム・ユンシクが扮して存在感を発揮し、芸妓ヨノン役のキム・ヘスも妖艶な演技で花を飾る。
韓国では観客動員900万人を突破。第50回大鐘映画賞では、最優秀作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、衣装賞、人気賞などを受賞して、高い評価を得た。
【ストーリー】
顔を見るだけで性格や寿命まで見抜くことができる天才観相師のネギョンは、息子や義理の弟と送る貧しい生活から脱出するため、都の芸妓ヨノンに誘われて観相業を始める。
やがてその腕前を評価されたネギョンは、第5代王・文宗(ムンジョン)の重臣である金宗端(キム・ジョンソ)の信任を得て、宮中の要職に抜擢される。
だが、その過程で王の弟である首陽大君(スヤンテグン)の人相から冷酷な“逆賊”の相を読み取ったことから、ネギョンら家族は王位継承問題を巡る謀反へと巻き込まれていく……。
構成=韓ドラ時代劇.com編集部
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