『不滅の恋人』でイ・ガンのモデルとなった首陽大君は何をしたのか

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6月19日からテレビ東京の韓流プレミアで放送されている『不滅の恋人』。このドラマで、チュ・サンウクが演じているのがイ・ガンだ。

そのイ・ガンのモデルとなったのが、7代王・世祖(セジョ)となった首陽大君(スヤンデグン)である。彼は、王としてどんなことをしたのだろうか。

首陽大君は、1453年10月10日に側近たちを自邸に集めて決起集会を開いた。

「まずは憎き金宗瑞(キム・ジョンソ)を討つ!」

そう決断した首陽大君は、端宗の最大の後見人である金宗瑞の屋敷に自ら乗り込んでいこうとした。直接的に首陽大君が従者にしたのは2人だけだった。その2人はそれぞれ鉄槌と刀を隠し持っていた。

首陽大君は従者2人と金宗瑞の屋敷の門に立った。迎えたのは金宗瑞の息子の金承圭(キム・スンギュ)だった。

チュ・サンウクはイ・ガンをどのように演じるのか

金承圭は首陽大君の訪問をいぶかしく思った。しかし、王族の重要人物だけにむげにできなかった。金承圭は父に首陽大君の来訪を告げた。それを聞いて、金宗瑞は門のところまで出てきた。

門をはさんで向かい合った金宗瑞と首陽大君。2人はともに一定の距離を保った。その後、首陽大君は金宗瑞の隙を見逃さず、従者に金宗瑞を襲わせた。従者は隠し持っていた鉄槌を取り出して、それを思いっきり振りおろした。

一番の難敵を排除した首陽大君は、そのまま側近たちを大勢引き連れて端宗のもとへ向かい、首陽大君は端宗に宣言した。

「謀反を計画して王朝を危機に陥れる重罪人を処分しました。他にも謀反を考えている人物に心当たりがあります。奴らの処分も私にお任せください」

屈強な武臣たちを従わせる叔父の迫力に、端宗はただ従うしかなかった。

首陽大君は勝手に王命を発して、高官たちを王宮に招集した。そして、自分の意にそぐわない高官たちをその場で殺害していった。
一夜にして王宮は首陽大君とその一派に牛耳られることになった。この事件が「癸酉靖難(ケユジョンナン)」であり、これによって首陽大君は朝廷の権力を掌中に収めた。

首陽大君の弟の安平大君(アンピョンデグン)も、対立する兄によって死罪になった(安平大君は『不滅の恋人』のイ・フィのモデルとなった人物だ)。

後ろ盾をなくした幼い端宗は、叔父の恐怖に怯えながら暮らした。そして、首陽大君の勢力が強まる宮中で、端宗はだんだん孤立していった。

結局、端宗は身の危険を感じ首陽大君に王位を譲った。こうして1455年に首陽大君が即位して7代王・世祖となった。

世祖が強引な手段で王位に就いたことに納得しない家臣たちは多かった。そこで彼らは端宗の復権を試みるのだが、王権強化を大義名分にした世祖によって、その多くが問答無用で処刑された。

世祖は「端宗が生きていると、余に反逆する者たちがいなくならない」と判断し、端宗を流罪にしたうえで殺してしまう。このようなことを行なった人物が首陽大君こと世祖であった。彼は本当に非道な男だった。

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