高句麗(コグリョ)や新羅(シルラ)とともに三国時代の一角を担った百済(ペクチェ)。
ドラマ『帝王の娘スベクヒャン』はその百済の国政を安定させた第25代王・武寧王(ムニョンワン)の時代を背景に、運命に翻弄されたふたりの姉妹の愛憎劇を描いた作品である。
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百済を描いた時代劇ドラマは、2005年に制作された『薯童謡(ソドンヨ)』など少なく、さらに6世紀の朝鮮半島を舞台にした作品は『帝王の娘スベクヒャン』が韓国時代劇史上初めてだ。
ただ、放映前から論争も起きた。
スペクヒャンが百済の王女だったという記録はなく、日本の第25代天皇・武烈天皇と婚姻を結んだ日本の皇女とする説があり、その学説に順ずると「歴史歪曲だ」と指摘されたのだ。
そのため制作陣はスベクヒャンを架空の人物として設定し、漢字表記も学説にある“手白香”ではなく、百済を守るという意味の“守百香”とした。
そのスベクヒャンを演じたのは、SMエンターテインメントに所属し、“M.I.L.K”という名でアイドルとして活躍した時期もあったソ・ヒョンジン。また、『薯童謡』に主演した俳優チョ・ヒョンジェも出演している。
韓国では30分帯の放送枠で放映され全120話が予定されていたが、短縮されて108話に短縮されたが、見応えのある作品であることに違いはない。
6世紀の百済。第24代王の東城王を暗殺したペク・カの娘チェファは、王の従兄にあたるユンの子を身ごもり、ユンから “スベクヒャン”と名付けるよう言われるが、ある事情で“ソルラン”と名付け、逃亡の途中で恋に落ちた父の部下クチョンとの間に“ソルヒ”という名の娘ももうける。
やがて時が立ち、チェファとクチョンの間に生まれたソルヒは、異父姉ソルランが武寧王の娘だと知って彼女に成り済ますことを考える。激動の時代に翻弄されながらも次第に権力を掌握していくスベクヒャンだが……。
(構成=韓ドラ時代劇.com編集部)
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