童謡をモチーフにして純愛と成功を描いた『薯童謡』【名作劇場】

2020年05月20日 スペシャル #名作劇場
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『宮廷女官チャングムの誓い』をヒットさせたイ・ビョンフン監督と脚本家のキム・ヨンヒョンが、再び挑んだ歴史ロマン大作。新羅(シルラ)に伝わる詩歌『薯童謠(ソドンヨ)』をモチーフに、韓国ドラマ史上初めて三国時代の百済(ペクチェ)を舞台に描いた純愛ラブストーリーだ。

それまで韓国時代劇に百済を描いた作品がなかったのは、同じ三国時代でも百済は高句麗(コグリョ)や新羅と違って史料や遺跡が極端に少なく、歴史研究も不十分だったことが理由に挙げられる。

『薯童謡』のスタッフたちは、中国や日本に残された史料を丹念に調べ上げ、百済がどのようにして優秀な文化と先端技術を生み出したのかについて触れながら、そこに三国時代に伝わる『薯童謡』のストーリーをミックスさせることで、百済と新羅をまたいだ壮大なロマンスを誕生させた。

また、権力闘争の勝利者としての王ではなく、王を「最高経営者」と見立てたサクセスストーリーに仕上げた点も、従来の時代劇とは異なる点として話題となった。韓国時代劇の既成概念に一石を投じた作品だ。

ドラマ『薯童謡』(SBS Productions Inc.)

【あらすじ】国の再建と禁断の愛を貫くために戦いに身を投じていくソドン
 
百済、新羅、高句麗が対立する三国時代。踊り子のヨンガモ(イ・イルファ)は、百済第27代の威徳(ウィドク)王と一夜を共にして男児を出産する。それが百済の王子に生まれながら、その出生を知らずに平民として育てられたチャン(のちのソドン)だった。

母のヨンガモは、少年になったチャンをかつての恋人で百済最高の技術士と呼ばれるモンナス(イ・チャンフン)に預ける。だが、チャンとモンナスは宮廷内の陰謀で命を狙われ、ヨンガモも亡くなってしまう。

どうにかして逃げのびたチャン(チョ・ヒョンジェ)は、百済を離れ、新羅の山奥でモノ作りに励みながら生活するが、その過程でソンファ姫(イ・ボヨン)と出会い2人は恋に落ちていく。

成長した2人は、国の違いや身分の違いを超えて愛し合うが、新羅から送り込まれた貴族の密偵サテッギル(リュ・ジン)によって離ればなれになってしまう。

やがて自分が百済の王子であることを知ったチャンは、王子の自覚を持ち、国の再建とソンフ姫との愛を貫くため、戦いに身を投じていくのであった……。

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