16世紀前半に実在したチャングムはどれほどの名医だったのか

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テレビ東京の韓流プレミアで放送されていた傑作時代劇『宮廷女官チャングムの誓い』。このドラマの終盤では、イ・ヨンエが演じたチャングム(長今)が国王・中宗(チュンジョン)の主治医にまで昇格する様子が描かれていた。

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本来、主治医というのは王宮にいる医者の中で一番の名医が担当するものである。それほどの要職を身分の低かった医女が担当したので、王宮の中は大騒動となった。「身分制度の根幹を揺るがす」ということで高官たちはこぞって反対していた。

それにも関わらず、中宗はチャングムを主治医に指名した。身分制度を覆してでもチャングムを主治医にしたかった中宗の心意気がよく示されていた。

チャングムは実在の医女であり、『朝鮮王朝実録』で何度も記述されている。しかも、チャングムの名前の上に「大」を冠にした「大長今(テジャングム)」と称されている。『宮廷女官チャングムの誓い』の韓国での原題は『大長今』であり、このタイトルは『朝鮮王朝実録』の表記にならったものだ。

これほどの栄誉を担ったチャングムは国王だけでなく王妃や大妃の診察もしていて、その度に大きな褒美を受け取っている。そのことが間違いなく『朝鮮王朝実録』に記録されており、立派な名医であったことが証明されている。そうした実績に着目してイ・ビョンフン監督はチャングムを主人公にドラマを作ったのである。

『チャングムの誓い』
イ・ヨンエが演じたチャングムは凄い女性だった

チャングムの業績

しかし、『朝鮮王朝実録』には、チャングムの生没年や性格、経歴などは記されていない。あくまでも記録されているのは、1515年から中宗が没する1544年までのチャングムの業績である。

記述は10箇所ほどしかないのだが、その中でもチャングムがいかに名医であったかが如実に記されている。なにしろ、中宗が「余の病状は医女チャングムが知っている」とまで語っていることが『朝鮮王朝実録』で明らかになっていた。

国王にそこまで言わせるほどの女性だったのだ。本当に、チャングムは歴史に残る名医であった。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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