朝鮮王朝第11代王・中宗(チュンジョン)の時代に実在した医女としてその活躍が記録されているチャングム。宮廷女官や医女の世界を華やかな映像で再現した時代劇であり、メロドラマのイメージが強かった韓流のイメージを覆した韓流時代劇の作品でもある。
チャングムは、宮廷内の権力争いと“男尊女卑”の封建社会の中でも強く生き抜き、宮廷料理人からやがて女性初の王の主治医へと上り詰めていく。
主人公のチャングムを演じたのは実力派女優のイ・ヨンエ。映画『JSA』ではクールな将校を演じたが、『チャングム』では逆境に負けず、ひたむきに突き進んでいくヒロインを演じ、2003年のMBC演技大賞を受賞した。そんな彼女の日本でのブレイクぶりは言うまでもなく、そうした芯の強い女性、ひとつの道を極める姿に感銘した人も多いことだろう。
映像で豪華な宮廷料理や風習など韓国の伝統・文化が見られるのもドラマの魅力と言える。韓国では2003年から2004年に放映され、最高視聴率は57%を記録。その熱狂はアジア全土にまで波及した。
韓流時代劇を代表するお化けドラマとして、いまだに続編を期待する声が絶えない。
宮中の争いに巻き込まれて、元武官の父と元宮廷女官の両親をなくしてしまったチャングム(イ・ヨンエ)。彼女は水刺間(スラッカン)の宮廷料理人の頂点“最高尚宮”を目指せという母の遺言を守るため、10歳のときに宮中入りする。
女官の見習いのチャングムは、母の親友だったハン尚宮(ヤン・ミギョン)の厳しい教えとライバルたちとの競争の中で、徐々に料理の才能を開花させていく。
そんな中、宮中ではハン尚宮とチェ尚宮(キョン・ミリ)が“最高尚宮”の座をかけた料理対決が始まる。チャングムが師と慕うハン尚宮と長年にわたり水刺間を取り仕切ってきたチェ一族の首領のチェ尚宮。
2人の対決はハン尚宮に軍配が上がる。しかし、のちにチェ尚宮の策略によって無実の罪で済州島へ流刑されてしまう。しかもその道中で、ハン尚宮は息絶えてしまった。
チャングムはそこで奴婢として失意の日々を送るが、そんなときに医女のチャンドク(キム・ヨジン)と出会う。チャングムは亡き母のためにもいつかかならず復讐することを誓い、医女になることを決意し、その道を極めていく。
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