【『チャングム』の必要悪】キョン・ミリの扮したチェ尚宮が惨めに没落して当然?

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傑作『宮廷女官チャングムの誓い』において悪役を一手に引き受けていたのが、キョン・ミリが演じたチェ尚宮(サングン)だ。彼女は、チャングム(イ・ヨンエ)やハン尚宮(ヤン・ミギョン)に対して悪魔のような存在だった。

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もともと、チェ尚宮は水刺間(スラッカン)で活躍してきたチェ一族の子孫だった。このチェ一族は多くの最高(チェゴ)尚宮を輩出してきた名門であり、チェ尚宮も伝統を引き継ぎたいという気持ちが強すぎた。しかし、ハン尚宮との争いに敗れて最高尚宮を逃してしまった。

こうなると、見境がなくなった。あまりにひどい悪事でハン尚宮とチャングムを陰謀に陥れて、チェ尚宮は自らの立場を強固にした。
その結果、ハン尚宮は命を落とし、チャングムは奴婢にされて済州島(チェジュド)に流罪となった。

その間に、チェ尚宮は女官長となり、同じチェ一族のクミョン(ホン・リナ)が最高尚宮となった。こうして「悪の一族」は待望の役職を得たのである。

しかし、誤算があった。復讐を誓うチャングムの執念深さに気づかなかったのだ。チャングムは医術を修得して医女として宮中に戻ってきて、チェ尚宮に仕返しする機会をうかがった。このチャングムの能力はケタ違いで、結局は彼女の尽力が功を奏して、チェ尚宮とクミョンは没落していった。

『チャングムの誓い』のチェ尚宮
キョン・ミリが演じたチェ尚宮

ドラマに不可欠な存在

この展開こそが、『宮廷女官チャングムの誓い』のメインストーリーであり、「悪が滅びる」という格言を実践したチャングムがスーパーヒロインになった。逆に、チェ尚宮は惨めに復讐されて哀れな存在として落ちぶれていった。これによって、涙で目を腫らしてきた視聴者もようやく留飲を下げることができたのである。

振り返ってみれば、チェ尚宮はドラマに不可欠な「必要悪」だった。キョン・ミリは女優としての自分の役割に徹して、演じたチェ尚宮を「こんなにひどいのか」と言われるほどの憎まれ役にした。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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