テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『太陽を抱く月』は、6月7日の第13話において、キム・スヒョンが演じる国王イ・フォンとチョン・イルが扮する陽明君(ヤンミョングン)の対決姿勢が鮮明になってきた。
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2人が争っているのは、1人の女性の心を奪うという問題だった。その女性は、ハン・ガインが演じる巫女のウォルだ。彼女はかつて世子嬪(セジャビン)のヨヌ(キム・ユジョンが演じていた)であり、10代のときのイ・フォンと陽明君がともに愛していた。
しかし、陽明君は世子の座を異母弟のイ・フォンに譲ったのに引き続き、ヨヌに関しても愛しながら自ら身を引いた。このように、陽明君は本当に欲するものをすべてイ・フォンに譲ったのだ。しかし、イ・フォンはヨヌのことを守ることができず、兄の陽明君も弟を非難した。
それから時間が流れ、ヨヌはウォルと名前を変えて、イ・フォンと陽明君の前に現れた。しかし、ウォルは記憶を失っていて、昔の自分を知らない。それはあまりに不憫な境遇なのだが、陽明君は以前と同様にウォルのことを愛し、王族の身分を捨てても彼女の愛を得たいと熱望している。しかし、イ・フォンはそこまで奔放に動けない。国王としての立場が自分の愛に制限をかけていたのだ。
ウォルが陰謀に巻き込まれて拷問を受けたとき、陽明君は命がけで彼女の助命を嘆願した。その上で、陽明君はイ・フォンと面会し、ウォルを救う覚悟を熱烈に伝えた。
イ・フォンは兄の運命を知って心配が募った。狡猾な領議政(ヨンイジョン/政府のトップ)が陽明君に謀反の疑いをかけるのが目に見えていたからだ。そのことは陽明君も承知だった。それでも彼はウォルを救い出さなければならなかった。それこそが彼にとっての至上の愛なのだ。
イ・フォンと陽明君……佳境に入ってきた『太陽を抱く月』では、いよいよウォルをめぐって2人の直接対決が熱を帯びてくる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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