ドラマ『イ・サン』においてクライマックスが近くなってきて、ついにソン・ソンヨン(ハン・ジミン)が亡くなるという場面を迎えてしまった。本当に、涙なくしては見られなかった名シーンであった。
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ソンヨンは最後までイ・サン(イ・ソジン)や周囲の人たちを気遣っていた。その優しさはまさに聖女であった。しかしながら、彼女は側室の宜嬪(ウィビン)として王族の一員の名誉を受けていたが、世子を亡くした後に悲しみの中で彼女自身も命を負えてしまったのだ。
ソンヨンが重い病にかかったときに、誰よりも悲しんだのがパク・テス(イ・ジョンス)だ。ソンヨンとパク・テスは幼馴染であり、二人はお互いに助け合いながら生きてきた。
実際、パク・テスはソンヨンを心から愛していて、彼女との結婚を夢見ていた。しかし、彼はソンヨンがイ・サンを心から愛していることを知っていた。それゆえ、パク・テスはどんなにソンヨンと結婚したいと思っていても、そのことは口に出せなかった。自分が身を引かなければならないことを肝に銘じていたのだ。
そして、ソンヨンがイ・サンの側室になる時も喜んで送り出して、絶対にイ・サンとソンヨンのために生きていきたいと固く誓ったのである。
しかし、パク・テスはソンヨンの重病を目の当たりにして悩み苦しんだ。結局はイ・サンの命令によって清国まで行って西洋医術の手術ができる医者を探して国に戻ってきた。まさに、その瞬間にソンヨンが亡くなったことを知らされた。
泣き崩れるパク・テス。彼としてもどんなに無念であったことだろう。生涯愛したソンヨンのことをいつも守り続けていたパク・テスだからこそ、芯からわかる底知れぬ悲しみであった。こうして彼は幼い頃から一緒に歩んできた一番大切な人を無情にも失ってしまったのである。パク・テスの心情は察するにあまりある。
これから彼はどうやって生きていくのか。イ・サンを命がけで守ることが自分の究極の役目だと悟っていることだろう。
文=大地 康
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