【『ザ・グローリー』ワケあり解説】悪役ヨンジンの凄みはどこにあるのか

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強烈な復讐劇であると同時に壮大な人間ドラマにもなっている『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』。ソン・ヘギョが演じるヒロインのムン・ドンウンは、高校時代に陰湿なイジメを受けていたが、18年が経って用意周到に重厚な復讐劇に乗り出した。

【写真】『ザ・グローリー』で豊胸手術をした悪役キャラの「秘話」

標的となっている者は何人もいるが、その中心にいるのはパク・ヨンジン(イム・ジヨン)である。彼女は気象キャスターとして人気を博している。テレビ画面で見せる姿は美しくて有能なのだが、性格は根っからの悪人だ。

それでもパク・ヨンジンは建設会社社長の妻として誰もがうらやむ裕福な生活を手に入れ、身の回りはブランド品ばかりで着飾っている。しかも、気象キャスターとして社会的な地位も得ている。なぜこれほどの悪人が人生の成功者なのか。その矛盾をドラマは描いていく。

とはいえ、パク・ヨンジンは強烈な弱みを握られている。それは失うものがあまりにも多すぎるということだ。もし彼女が建設会社社長夫人と気象キャスターという両方の立場を失ったら、彼女が嘘と悪事で築き上げてきた裕福な暮らしと有名人という虚像は一瞬にして崩れてしまう。それゆえ、パク・ヨンジンはムン・ドンウンを誰よりも恐れている。

実際、ムン・ドンウンの復讐劇は容易周到だ。彼女は自分が受けたいじめに対する復讐だけでなく、パク・ヨンジンたちのさらなる悪行についても復讐をしなければならない。その意識が、死ぬことばかりを考えていたムン・ドンウンが生き続けるための原動力になった。

悪役を演じるイム・ジヨン

張り巡らされた復讐劇の核心

『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』で一番緊張感が迫る場面は、ムン・ドンウンとパク・ヨンジンが一対一で対立する場面だ。パク・ヨンジンはふてぶてしい態度でムン・ドンウンを挑発しまくっているが、ムン・ドンウンは常に冷静にパク・ヨンジンの悪行を裏付ける証拠を見せる。すると、パク・ヨンジンは仲間や身内を総動員してムン・ドンウンに反撃する機会を狙っていく。

パク・ヨンジンを演じるイム・ジヨンは、自分の演じるキャラクターが視聴者に嫌悪されることを覚悟している。それでも、自分の女優人生を懸けてパク・ヨンジンという根っからの悪人をさらに際立たせようと執念を燃やす。その迫力がドラマを引き締めている。

パク・ヨンジンの悪行をどうやってムン・ドンウンが次々にさらしていくのか。それが、伏線が張り巡らされた復讐劇の核心になっていく。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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