『紳士とお嬢さん』でヒロインを見捨てた役を演じるイ・イルファは「伝説の母親」だった?

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テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『紳士とお嬢さん』において、アメリカからやってきたエナを演じているのがイ・イルファである。

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女優イ・イルファを一躍有名にしたのが「応答せよシリーズ」だ。『応答せよ1997』『応答せよ1994』『恋のスケッチ~応答せよ1988~』という傑作三部作で彼女は「イ・イルファ」という役名で母親を演じている。父親役がソン・ドンイルであり、二人は「応答せよシリーズ」の名物夫婦役だった。

このシリーズでイ・イルファが演じた母親が伝説的だったのは、食事の量をいつも膨大に作りすぎていたことだ。家族4人でも10人分くらいを作るような太っ腹だった。そんな異質の母親を演じて人気を集めたイ・イルファは以後も印象的な女性を演じてきた。

そして『紳士とお嬢さん』である。このドラマでイ・イルファは主人公パク・ダンダン(イ・セヒ)の母親エナに扮している。

ただし、エナは複雑な事情を抱えている。ダンダンがまだ赤ん坊の時に家出をしてしまって夫のスチョル(イ・ジョンウォン)を見捨てたのだ。仕方なくスチョルは再婚してダンダンを育てた。成長した彼女はヨングク(チ・ヒョヌ)の家で三人の子供たちの家庭教師をすることになった。そのヨングクのビジネス上のパートナーとしてアメリカからやってきたのがエナであった。

『紳士とお嬢さん』でエナを演じるイ・イルファ

最大の償い

彼女は交通事故によって顔を負傷したために整形をして別人の容姿になっていた。それゆえ、スチョルが彼女を見ても元妻であることに気がつかないのだ。

もちろん、エナのほうはスチョルのことを知っているので再会することになって心から驚いた。そして、自分が見捨てた赤ん坊ダンダンが大人になってヨングクの家で働いていることを知った。しかし、ダンダンはスチョルから「母親は死んだ」と聞かされていたので、エナの存在は全くわからない。

そんなエナはヨングクの家で同居することになり、我が娘のダンダンを何かと気遣って支援していくのだが、ダンダンはとても親切なおばさんとしてエナのことを見ているだけだった。

エナはダンダンに対して「アメリカで留学をしたら」と盛んに勧めている。それは自分が捨ててしまった我が子への最大の償いのつもりだったのだ。

果たしてスチョルはエナの正体にいつ気づくのか。

そして、ダンダンは実の母親がエナであったことをどのように知るのか。

そこが『紳士とお嬢さん』の重要な転換期になっていくことだろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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