韓国ドラマにはラブコメ、時代劇、専門ドラマ(医療、法律、警察など)という様々なジャンルがあるが、最近は「ノスタルジックな世界」を美しく見せてくれるドラマが増えている。しかも、傑作が多い。完全にジャンルとして定着した印象を受けるが、その中から「珠玉!」と高く評価したいドラマを3本選んでみた。
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最初に取り上げたいのは『海街チャチャチャ』だ。
物語の舞台は海辺の景色が美しいコンジンの町だ。ソウルでひどい目にあった歯科医師のユン・ヘジン(シン・ミナ)が移り住んできて開業する。何かと手助けしてくれたのが、地元の仲間からホン班長(パンジャン)と慕われたホン・ドゥシク(キム・ソンホ)だ。
2人は時にぶつかりあいながら、風光明媚な風景に抱かれて、ソウルでは味わえないナチュラルなラブロマンスを繰り広げていく。
ドラマの設定がどこまでも「ノスタルジック」だ。損得を抜きにして人間本来の情があつい人間関係があり、その中でユン・ヘジンとホン・ドゥシクは地元の生活に根付いた幸せな生活を見つけ出していく。
このドラマを見ながら、コンジンの住民になりたい、と思った人が多かったことだろう。それは叶わないが、ドラマを通してそんな気分になれたことが幸せなことなのである。
次のドラマは、『その年、私たちは』である。
物語の設定が興味深い。
高校で学年トップだったヨンス(キム・ダミ)とビリだったチェ・ウン(チェ・ウシク)の2人を主人公にしてドキュメンタリー番組が作られた。
その番組を契機に2人は恋人関係になったのだが、なぜかヨンスの一方的な別離宣言で破局を迎えてしまった。
高校を卒業して10年後、再び2人の「その後」を描く続編が作られることになり、「ヨンスとウンは10年間に何が起こったのか」をゆっくりと振り返っていく。
とにかく、『その年、私たちは』は高校時代から現在に至る多感な時期がノスタルジックに描かれていて余韻がとても残る。
名場面も多く、第11話の終盤にウンが「会いたかった」「愛してくれ、お願いだから」と呼びかけるシーンは本当に情愛があふれていた。
まさに、ノスタルジックなドラマの忘れられない名シーンだった。
三番目に取り上げるのが『二十五、二十一』である。
ナ・ヒド(キム・テリ)はフェンシングに取り組む女子高校生。一方のペク・イジン(ナム・ジュヒョク)は経済危機によって父親が破産してしまった苦学生だ。
そんな2人がめぐりあい、お互いに応援しあって成長していく、というのがメインストーリーだ。1998年と現在という二つの時間軸の中で、ナ・ヒドとペク・イジンの麗しき関係が解放感たっぷりに描かれていく。
高校生に扮するキム・テリの天才的な演技力と哀愁を感じさせるナム・ジュヒョクの表現力が本当にうまくマッチしていた。
そういう意味でも、何度でも見たい珠玉の名場面の宝庫になっているドラマだと言える。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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