現在、28歳のナム・ジュヒョク。20代の韓国男優の中で彼は独特の「立ち位置」を持っている。何よりも、ナム・ジュヒョクの表情には抒情性があるのだ。それゆえ、彼が演じるキャラクターには必然的に「哀愁」が漂う。それは、見る人にとって心地よいものに違いない。
【関連】『二十五、二十一』主演ナム・ジュヒョク、爽やかな好青年ビジュアルに大反響!【画像】
そんな彼の魅力は最近のドラマでも十分に発揮されている。
たとえば、『スタートアップ:夢の扉』。2020年後半に韓国で放送されたドラマだが、ナム・ジュヒョクは男性主人公のナム・ドサンを演じていた。
共演したペ・スジが演じたソ・ダルミは疾走する起業家であったが、ドサンは控えめで純朴な青年だった。
しかし、画像認識の技術では天才的な才能を持っていた。とはいえ、決して羽目を外すことはなく、常に周囲に配慮しながら自分の役割に徹していた。
こういう役を演じるときのナム・ジュヒョクには恥じらいがあって好感が持てた。それは、ペ・スジが持つ快活さとは対極に位置するものだった。それゆえ、2人の相性は反発しあうことはなく、むしろ収まりが良かった。
それから1年余りが過ぎて、ナム・ジュヒョクはネットフリックスで配信されている新作ドラマの『二十五、二十一』に主演した。
演じたのは、経済危機の影響で苦学を強いられるペク・イジンだ。
共演のキム・テリが扮している女子高校生ナ・ヒドは、フェンシングに打ち込んでいて国家代表を目指している。明るい性格でペク・イジンとは対照的だった。
なにしろ、ペク・イジンのところには借金取りが深刻に押しかけてきて、彼は謝ることしかできなかった。さらには、「お詫びに自分は絶対に幸せになりません」と自ら不幸になることを宣言してしまう始末だった。
そんなペク・イジンを励ますナ・ヒドのひたむきさが本当にまぶしかったが、その彼女が落ち込んだときには、逆にペク・イジンが頼もしい存在となった。特に、ナ・ヒドが列車の遅延によって競技出場が難しくなったとき、ペク・イジンは力強い言葉と行動で窮地を救い彼女を勇気づけた。
そのシーンで見せたナム・ジュヒョクの演技には、「哀愁」を越えて突き進む「爽快さ」があった。表現力の幅が広いという意味で、ナム・ジュヒョクは俳優として独特の多様性を持っている。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
■【関連】【韓ドラあるある】ナム・ジュヒョク主演『二十五』で炸裂した乱闘シーンが強烈!
前へ
次へ