とてつもなく面白い。ノスタルジックな青春ドラマの傑作になるに違いない。それほど、韓国tvNで放送中のドラマ『二十五、二十一』はレベルが高い(ネットフリックスでも同時配信されている)。
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まずは、ナム・ジュヒョクとキム・テリの主役コンビがいい。
キム・テリはフェンシングに打ち込む女子高校生ナ・ヒドを演じているが、飛びぬけた解放感をからだいっぱいに表現していて、見ているこちらまで元気になる。すこぶる快活キャラだ。
一方、ナム・ジュヒョクは家が破産してアルバイトに明け暮れる苦学生ペク・イジンに扮していて、ナイーブな感性をかもしだしている。
象徴的な場面……自分のところにまで借金取りがやってきて、ペク・イジンは「謝ることしかできませんが、自分も絶対に幸せになりません」と詫びをいれざるをえなくなる。
そんな辛さを見たナ・ヒドはペク・イジンに対して「自分といるときは幸せになって」と笑顔を見せる。
時代は韓国が深刻な経済危機に見舞われた1998年。世の中は苦境に陥っていたが、なんにでも前向きなナ・ヒドに影響されて、ペク・イジンも諦めていた希望を徐々に取り戻していく。そのとき、ペク・イジンは22歳でナ・ヒドは18歳。2人のかけがえのない青春の日々が素敵なセリフと美しい映像美で華やかに繰り広げられていく。
同時に、爽やかに笑わせてくれる場面も多い。
女子高校生の乱闘シーンに参入したナ・ヒドが傘をフェンシングの剣に見立ててチンピラを撃退する場面、人気漫画の貸本を破損した代わりにナ・ヒドが自分で漫画を描いてしまう場面、面接試験に落ちて泥酔して寝入ったペク・イジンの前にナ・ヒドが落書きを置いて彼に恥をかかせた場面など。
そうしたシーンはクスクスと笑えるが、同時に深い余韻に包まれる。それは、愛すべきキャラクターが視聴者に「かけがえのない青春」を追憶させてくれるからだ。
『二十五、二十一』は、「過ぎ去った日々の中に一番大切なものがあった」ことを心地よく思い出させてくれるドラマだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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