BS朝日で月曜日から金曜日まで放送されている『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』は、イ・ソンギュンとIU(アイユー)が主演している。
IUに関しては何度か記事で紹介しているので、今回はイ・ソンギュンを取り上げてみよう。
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彼に関しては日本で直接取材したことがあるので、人間味あふれる姿をまじかで見ているが、特に印象深いのが「声」である。
本当に、素晴らしく響く低温の声に聞きほれてしまう。日本でも韓国でも多くの男優の声に直接触れてきたが、やはりイ・ソンギュンの特別な声質は別格な感じがする。まさに「国宝級の声の持ち主」だと思える。
そんなイ・ソンギュンが『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』で演じるのは、建築会社の部長を務めるドンフンだ。彼は仕事で左遷させられ、家庭では妻との関係が良くない。そんな苦境の中でIUが演じるジアンと知り合う。彼女はドンフンの会社の派遣社員なのである。
ジアンは会社の社内抗争に関係するようになり、ドンフンの携帯電話を盗聴する。ドラマでは、ジアンがドンフンの盗聴を通して彼の声をずっと聞き続けている。そういう場面が前半は延々と続き、イ・ソンギュンの声がドラマを大きく動かしていく役割を果たしていく。
もちろん、イ・ソンギュンは演技力に定評がある俳優だが、彼の声の良さも十二分に各場面に発揮されていて、視聴者の心と耳を情緒的に揺れ動かしている。
もう一つ、ドンフンというキャラクターが愛しいのは、兄弟愛のときだ。彼には兄のサンフンと弟のギフンがいて、三兄弟が本当に仲が良くていつも飲み歩いている。
そういう三兄弟は母親思いで地元愛が強く、見ていて羨ましくなるほど人間味がある。その中心にいるドンフンを演じるイ・ソンギュンは、多彩な表情を表現力豊かに演じていて、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』というドラマの人生のペーソスを抜群の存在感で見せてくれる。そういう意味でも、イ・ソンギュンが男性主人公を演じていて本当に良かったと思う。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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