イ・ジュンギという俳優は、本当にフトコロが深い俳優である。
なんといっても、演じるジャンルが本当に多彩だ。
現代劇でも時代劇でも、どちらも最高の演技力を見せてくれる。
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たとえば、現代劇でいえば昨年に制作された『悪の花』の評判がすこぶるいい。家庭で平穏に過ごしていた夫が実は殺人犯であったというミステリアスな設定の中で、イ・ジュンギは二重の人格を持つ謎めいた主人公を迫真の演技で演じきった。
それを含めて、イ・ジュンギはこのところ『クリミナル・マインド』『無法弁護士』『悪の花』と現代劇で主役を演じているが、もちろん、時代劇でも注目作が多い。
彼は2005年に映画『王の男』で大成功してからも、『イルジメ〔一枝梅〕』『アラン使道伝』『朝鮮ガンマン』『夜を歩く士(ソンビ)』と時代劇に数多く主演しており、さらに、2016年に『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』で高麗王朝の皇子を演じている。
このドラマは放送されてから5年が経っているが、いまだに高い人気を維持している。日本でも繰り返し各テレビ局で再放送されているし、韓国ドラマのファンが参加しているアンケートでも、「恋愛ドラマの人気作」というランキングで上位の支持を集めている。
意外な気がするのは確かだ。本来、歴史を描く時代劇が恋愛ドラマの人気ランキングに登場するのは少ないはずなのだが、『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』はジャンルを超えるほどの突出した人気を持っているということなのだろう。
それも、イ・ジュンギの俳優魂の賜物に違いない。
彼はこのドラマで繊細なキャラクターを作り出すために15キロも減量したという。役作りとはいえ、普通はここまでできないことだ。しかし、イ・ジュンギはアクションを鋭く見せるうえでも絶対に必要だと考え、過酷な減量を実現させた。
やっぱり、イ・ジュンギは、作品のために極限まで何でもやりつくす俳優なのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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