現在、NHKで放送されている時代劇『ヘチ 王座への道』。このドラマで、主人公ヨニングン(延礽君)の協力者として登場するのがパク・フン演じるタルムンだ。
ならず者組織の頭を務めるタルムンは、都だけでなく宮中の情報などすべて集めて裏社会を掌握している。
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彼自身、お金や法や役所ではなく自分や仲間を守ってくれるのは権力だと思っており、仲間を守るためなら誰にでも従うタルムンは、最初は老論派(ノロンパ)の重鎮であるミン・ジノンの手下となっていた。
しかし、ヨニングンと行動を共にするうちに、もっといい世の中を作ろうと考えて主人公と同じ夢を持つようになる。
そのようにして、ヨニングンの仲間となったタルムンだが、後半に入ってから少しの間2人の関係が壊れそうな雰囲気が漂っていたが、それも今は解消されている。
ドラマの第13話では、朝廷に「世弟の代理調整を認めてほしい」という上疏文が届くが、タルムンはそれが密豊君(ミルプングン)が両班(ヤンバン)に書かせたものだと知っていながら、ヨニングンには話さなかった。
第14話では、ヨニングンが19代王・粛宗(スクチョン)の子ではなく、母親の淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏が他の男と作った子だという噂をタルムンが町中に貼り紙して広めた。
パク・ムンスが剝がしてきた貼り紙を見てタルムンの裏切りに気づいたヨニングンは悲しみを覚えたが、1枚の文書の中に読み方は同じでも異なっている漢字に気づいた彼は他の文書も集めて漢字を調べた。それによって、タルムンが自分のために動いてくれていたことを知る。
そして、第15話でヨニングンは貼り紙をしたタルムンに「こんなことをして生き延びられると思うのか」と問う。その問いを聞いたタルムンはヨニングンが暗号を解読したことを確信する。
以上のように、実際はヨニングンのために動いていたタルムン。「敵を騙すにはまず味方から」と言うが、彼はまさにそれをやったと言えるだろう。
果たして、ヨニングンと密豊君の対決はこれからどんな展開を迎えるのかが興味深い。
文=大地 康
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