ドラマ『愛の不時着』でグ・スンジュン役を演じて日本でも人気者になった俳優キム・ジョンヒョンが主演する新作ドラマ『哲仁王后』。韓国では12月12日から放送が始まったが、歴史歪曲と嫌韓に同調する疑いがある作品をリメイクしたという疑惑に包まれてしまった。
『哲仁王后』は韓国を代表する虚勢男魂が宿る朝鮮王朝時代の中殿(チュンジョン/王妃のこと)であるキム・ソヨンと、ふたつの顔を持つ王・哲仁が登場するコミックファンタジー時代劇。
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劇中に登場する神貞王后趙氏(シンジョンワンフチョシ)は実在する人物で、朝鮮王朝最後の大王后である豊穣趙氏(プンヤンチョシ)の勢力を代表する人物である。
だが、『哲仁王后』で神貞王后趙氏が過度にパロディーされて登場すると、豊穣趙氏の宗親会(同姓同貫の親類の集まり)側が不快な気持ちを示した。
宗親会側は「ドラマでは(神貞王后が)あらゆる迷信を信じるキャラクターとして出ており、どのように対応するか考慮している」と明らかにした。
また、嫌韓傾向が強い中国人小説家・鮮橙の作品である『太子妃升職記』を原作にした中国ドラマのリメイク版ということで、放送開始前から嫌韓論争が起きた。
こうした事態を受けて12月15日、tvN『哲仁王后』製作陣は「該当の事実を認知しなかった部分に対して視聴者の皆さんに心より謝罪し、原作と差別化された新しい創作物としてご覧になれて不便を感じないよう製作に最善を尽くす予定です」と明らかにした。
制作陣側は「『哲仁王后』は当該ドラマの制作会社が中国で放送されたウェブドラマ『太子妃狂想曲<ラプソディ> ~太子妃升職記』のリメイク放映権を購入して企画した作品」と説明したうえで、「契約当時はウェブドラマの原作小説『太子妃升職記』を書いた作家のもうひとつの作品である『和親公主』に韓国に関連した否定的な発言があることを認知できませんでした。ドラマ制作が進められた後、オンラインコミュニティを通じてその事実を確認しました」と経緯を明かした。
また「第2話で言及された朝鮮王朝実録関連のセリフは該当表現が不適切だったと重く受け止め、問題のナレーションを削除した。そのほか、歴史的な人物や事件などについても否定的に表現する意図はなかった」と釈明した。
最後に、「健康な笑いを差し上げようとした意図とは異なり、ご不便をおかけし、改めて申し訳ございません。 これから製作にもっと留意し、良いドラマを作るために最善を尽くします」とした。
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