日本でも空前のブームを巻き起こしているドラマ『愛の不時着』。劇中でヒロインのユン・セリを演じた女優ソン・イェジンの注目度も高まるばかりだが、彼女がかつて時代劇映画で“男勝りの海賊・女船長”を演じたことがあることをご存じだろうか。
映画のタイトルは『パイレーツ』。その名の通り、ファンタジー色の強いエンターテインメント作品だ。
舞台は朝鮮王朝時代。
朝鮮王朝建国の証として、明の皇帝から贈られた国璽(国印)を積んでいた使節船が、渡航中の海上でクジラと衝突。国璽は海に放り出されクジラに丸飲みされてしまう。
国の一大事に朝廷は大騒ぎとなる中、その噂を嗅ぎつけた、海の荒くれ者である海賊たちが国璽を狙う。
さらに本来は海とは無縁のはずの山賊が、一攫千金を目論み動き出す。国の威信をかけて水軍までもが入り混じり、国璽争奪をかけた三つ巴戦が繰り広げられる。最後に国璽を手にするのは一体誰なのか……。
そんな内容なのだが、ソン・イェジンは海賊の女船長に扮して派手なアクションも披露するのだ。相手役で“海に飛び込んだ山賊”を演じたキム・ナムギルも驚いたほどだ。
「ホラー以外のすべてのジャンルが入った映画です」とは、撮影中に主要キャストがTV番組に出演した際、ソン・イェジンが放った言葉だ。
ユーモアを込めての発言ではあったが、アドベンチャー、コメディなど、それくらい娯楽性に溢れた作品であることを端的に表した一言である。
また、この手の作品に欠かせないのがスケール感だろう。
例えば、船。本作ではある意味、最も重要な舞台装置でもあるわけだが、3000万円をかけて32mにもなる海賊船を製作している。演じる側にとっても見る側にとっても、こうした再現性がどれだけ高いかが、映画のデキを左右するのは言うまでもない。
海賊映画と言えば『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズが世界的に大ヒットして人気だが、韓国の海賊映画もスケールではまったく負けていなかった。
その中でソン・イェジンはどんな存在感を放っているのか。『愛の不時着』で演じたユン・セリと似ているようで異なる、彼女の一面を機会があればぜひともチェックしておきたい。
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