海外ドラマ『ウォーキング・デッド』の成功がきっかけに、ゾンビを題材にした映像作品が世界中で作られている今日この頃だ。
日本のゾンビ作品といえば、2016年に公開された『アイアムアヒーロー』や、昨年ヒットした低予算映画『カメラを止めるな!』などが記憶に新しい。
韓国でもゾンビ作品が増えており、2017年に日本公開された映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』が代表的な作品として挙げられるが、ここ最近ではNetflixで配信されているオリジナルドラマ『キングダム』が話題だ。
『キングダム』は、日本でリメイク制作されたドラマ『シグナル』の脚本家キム・ウニと、映画『トンネル 闇に鎖された男』のキム・ソンフン監督がタッグを組んだ作品だ。
主演には人気俳優チュ・ジフンと、ドラマ『最高の離婚』の韓国リメイク版にも出演した演技派女優のペ・ドゥナなど、豪華キャストが集結。当然のように高額な制作費がかかっている。
韓国ドラマのNetflix配信と言えば、『ミスター・サンシャイン』や『アルハンブラ宮殿の思い出』が有名だが、『キングダム』は合計200億ウォン(20億円)の制作費をNetflixが全額負担した初のオリジナル韓国産ドラマだ。
1本あたりの制作費は約20億ウォン(約2億円)で、15億ウォン(1億5000万円)の『ミスター・サンシャイン』や、18億ウォン(1億8000万円)の『アルハンブラ宮殿の思い出』を上回る。
『キングダム』がユニークなのは朝鮮王朝時代を舞台にしていることだ。
「韓服(韓国の民族衣装)を着てダッシュするゾンビが新鮮で面白い」「朝鮮王朝時代の描写が興味深い」という海外からの反応を見てもわかるが、“韓国型ゾンビ”たちが時代劇の舞台を容赦なくぶち壊していくのだ。
王をはじめとするすべての登場人物が架空のもので、年代すらもはっきりしていないが、朝鮮王朝時代を舞台にしているという点で新感覚の時代劇と言えるだろう。
グローバル配信を念頭に置いて丁寧かつビッグスケールで作られた『キングダム』。現在はシーズン2がNetflixで配信中で、シーズン3も企画されているという。ぜひ観ておきたい新感覚・韓ドラ時代劇だ。
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