日本に絶大な韓流ブームをもたらした記念碑的な傑作『冬のソナタ』。このドラマではペ・ヨンジュンとチェ・ジウが美しいラブロマンスを繰り広げて大いに人気を博した。同時に、共演者のキャスティングも見事で、チェ・ジウが扮したユジンの同級生として悪役チェリンを演じたのがパク・ソルミである。
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このチェリンは、愛する主役2人を徹底的に妨害する女性なのだが、悪役としてはあまりに美人すぎた。どんなに友人を罠にはめようとしても、嫉妬と悪意から来る執念がそれほどえげつなくなかった。
初恋の純粋さを描くことがユン・ソクホ監督の大きな目的であり、極端な悪役を取り上げたくなかったのだ。そのためにも、チェリン役には主役ができるほどに美しいパク・ソルミを起用したとも言える。
結局、チェリンは心理的な駆け引きでユジンを追い詰めていくやり方を貫いており、パク・ソルミの放つ「美しい罠」は『冬のソナタ』の格調を高める役割を果たしていた。
そのように知性的な悪役を演じたパク・ソルミ。『冬のソナタ』が大人気になったあとに「撮影が終わったら、どんなふうに休みたいか」とマスコミから質問されて、「なぜ休む必要があるのですか。すぐに新しいドラマの撮影に入らなければならないでしょう。ここで休んでいたら、今まで苦労した意味がないですよ」と気丈に答えていた。
その言葉のとおり、『冬のソナタ』の後にはドラマ『オールイン』(2004年)でオアシスグループ会長の娘ソ・ジニという重要な役を演じた。また、『黄金のりんご』(2005年)や映画『極楽島殺人事件』(2007年)に出演。『美しき伝説の商人~キム・マンドク』(2010年)で共演したハン・ジェソクと2013年に結婚した。翌年4月に長女を、2015年1月に次女を出産した。
その後は育児のために芸能活動を休みながら、ドラマ『町の弁護士チョ・ドゥルホ』『死んでもいい』などに出演。2022年には映画『ハンサム』に出て健在ぶりを示した。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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