『トンイ』に登場する捕盗庁の従事官は悪を見逃さないエースだったのか

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韓国時代劇を見ていると、朝鮮王朝時代の罪人を取り調べて検挙する役所として、司憲府(サホンブ)と義禁府(ウィグムブ)と捕盗庁(ポドチョン)がよく出てくる。こうした役所のことを知っておくと、時代劇への理解もとても深まるので、この機会にぜひ役割を知っておこう。

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司憲府は、官僚の不正を暴き、清廉な風紀を守るための役所であった。朝鮮王朝では、賄賂が蔓延していたと伝えられるが、その暗闇を断ち切るように司憲府は鋭い眼差しで不正を取り締まった。王朝の秩序を守るうえで、なくてはならない存在であったと言える。

義禁府は、王命を受けて罪人を取り調べる厳粛な役所であった。国王直属ともいえるこの組織は、反逆罪のように国家を揺るがす大事件を担当することが多かった。王の威光を背にした義禁府の役人に呼び出されるのは、すなわち運命の岐路に立たされることを意味していたのである。

捕盗庁は、庶民の暮らしを脅かす盗賊や罪人を捕らえるための官庁であった。別名で「捕庁(ポチョン)」とも呼ばれ、正式に制度として整えられたのは、11代王・中宗(チュンジョン)の時代であると伝えられる。

捕盗庁の管轄は、首都の漢陽(ハニャン/現在のソウル)と京畿道(キョンギド)に及び、日本でいえば警視庁のような役割を果たしていた。

『トンイ』
『トンイ』でチョン・ジニョンが演じた捕盗庁の従事官ソ・ヨンギ

捕盗庁に属する者の象徴

捕盗庁で実際に罪人と対峙したのは捕盗軍士(ポドグンサ)と呼ばれる兵士たちであった。彼らは昼も夜も都を巡回し、危険な要素を追い払った。

捕盗軍士の腰には赤くて太い縄が結ばれており、罪人を捕らえたときにはその縄で容赦なく縛り上げた。この赤縄こそが、彼らが捕盗庁に属する者であることを示す象徴だった。

なお、『トンイ』において主人公トンイ(演者ハン・ヒョジュ)をいつも助けていたソ・ヨンギ(演者チョン・ジニョン)は、捕盗庁の従事官であった。彼はいかにも職務に忠実な捕盗庁のエースという雰囲気を持っていた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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