時代劇『ファン・ジニ』は華麗な絵巻物語のようなドラマだった。主役を演じたハ・ジウォンの持つ華やかさもとても良かった。彼女が扮した黄真伊(ファン・ジニ)は、史実では妓生(キセン)だった。実際にはどういう女性だったのだろうか。
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黄真伊の出生は正しくはわからないが、16世紀前半に母親1人の手で育てられたという。とにかく母親は黄真伊に徹底的な英才教育を施した。その甲斐もあり、黄真伊は若い頃から高い教養を身に付けていた。
また、容姿も格段と優れており、彼女の美貌と才能は、多くの男性の心を射止めた。そんな黄真伊がなぜ妓生になったのか。正確な答えを知る術はないが、ひとつの逸話に注目したい。
優れた美貌と知性を持つ黄真伊を妻にしたいという男性が後を絶たなかった。しかし、黄真伊を上流階級の妻にしたいと考えた母親は、そういった男性たちの誘いをことごとく断り続けていた。
ある日、1人の平凡な青年が黄真伊に恋をしてしまった。しかし、何一つ誇れるものがなかった青年には、彼女はあまりに高嶺の花だった。思いを伝えることすらできない青年は、ついには自ら命を落としてしまう。
哀れんだ村人たちは青年の遺体を棺に入れて弔いの行進を始めた。ここで奇妙な出来事が起こる。村人たちが黄真伊の家の前を通ると、青年の棺を載せた台車が動かくなってしまったのだ。
家の前が騒々しいことに気付いた黄真伊が事情を聞き、彼女は自分の衣服を棺にそっとかぶせた。すると、ピクリとも動かなかった台車がようやく動き出したという。
黄真伊はこの一件をきっかけに妓生になったそうだ。「もうこれ以上、自ら命を絶つ人を増やさない」ためでもあった。
当時、「一度妓生になったらその記録を消せない」ということを彼女が知らないはずがなかった。青年の死は彼女の運命を大きく動かしたのだ。
妓生になった黄真伊は美貌と教養によって、一気に知名度を高めた。すると特権階級の官僚や学者たちが競って彼女に近づくようになった。しかし、黄真伊は多くの男を惑わしながら自由に生きた。そんな彼女はたくさんの美しい詩を作った。
最後まで自分を貫き通した黄真伊の生き方は、後世の多くの女性たちの憧れとなった。
構成=康 熙奉(カン・ヒボン)
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