【史実で書かれたチャングム】重病の中宗のそばでどれほど看病していたのか

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傑作時代劇『宮廷女官チャングムの誓い』では、終盤になってイ・ヨンエが演じたチャングム(長今)が中宗(チュンジョン)の主治医になっている。

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しかし、それはドラマでの話であり、『朝鮮王朝実録』の記述によると、中宗の主治医となっていたのは朴世挙(パク・セゴ)、洪沈(ホン・チム)、柳之蕃(ユ・ジボン)の3人であり、朴世挙が侍医団のリーダーになっていた。チャングムは医女なので主治医になれない。それが、厳しい男尊女卑が貫かれていた朝鮮王朝のしきたりだったのだ。

それでも、チャングムは中宗の病状が悪化したときにそばで必死に看病している。そのあたりを『朝鮮王朝実録』は次のように記録している。

●1544年10月29日の記述

朝、長今が内殿から出てきて言った。「殿下の下気(ハギ/便通を指している)がやっと通じて、とても気分がいいとおっしゃっておられます」。その後、(王は)薬房にこう指示された。「今、余の下気はいつもどおりだが、気力がまだ弱い」

●11月11日の記述

正午に医女(長今)が出てきて、「(殿下の)左手の脈は朝より少し浮いており、煩熱(熱が高くて胸が苦しい症状)が出て口が渇いています」と言った。

『チャングムの誓い』
実在したチャングムも素晴らしい人だった

主治医と変わらぬ働きぶり

●11月12日の記述

朝、医女(長今)が出てきて、「昨夜、殿下には煩熱がおありのようでしたので、適切に処方いたしました」と言った。正午、医女が出てきて、「午前中に煩熱があって、井花水(夜明けに汲んだ井戸水)に蘇合元(漢方薬の一種)を入れて差し上げました」と言った。

●11月13日の記述

医女(長今)が出てきて、「昨夜は二更(夜9時から11時の間)に少しお休みになられ、三更(夜11時から午前1時の間)には熱がひどくて、野人乾水(漢方薬の一種)をさしあげましたが、熱が下がりませんでした。昼から夕方まで、左手と右手の脈は昨日と変わりがありません」と言った。

以上の記述を見ていると、チャングムが中宗のそばに寄り添って病状を的確に把握している様子がよくわかる。本当に、主治医と変わらぬ働きぶりだ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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