テレビ東京で放送されている『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』では、3月22日の第21話でとても重要な登場人物が出てきた。それは、新羅(シルラ)の国王の真興(チヌン)王であった。時代劇によく出演しているキム・スンスが演じていた。
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真興王は新羅の24代王だが、ドラマの中で彼は密偵のヘ・モヨン(チェ・ユファ)に対して「ピョンガン王女(キム・ソヒョン)を殺せ!」と強烈な命令を出す。彼は三国統一の野望を強く持っており、高句麗を倒すためにピョンガン王女をかならず排除しなければならなかったのだ。
このように『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』でピョンガン王女の強敵として現れてきた真興王。実は、韓国時代劇で主役になったこともある。というのは、人気ドラマの『花郎(ファラン)』で主役のパク・ヒョンシクが真興王を演じていたのだ。
これほど記憶に残る真興王は、果たして史実ではどんな国王だったのだろうか。
真興王は540年にわずか6歳で即位し、母であった只召(チソ)太后の摂政を受けながら成長していった。10代のときから親政を開始した真興王は、三国の統一を実現するために、高句麗(コグリョ)と百済(ペクチェ)より国力を強くする必要性を痛感した。
そこで真興王は人材育成を第一に掲げ、若者たちを鍛え上げようとした。その意欲のあらわれが「花郎」の創設だった。この組織では優秀な若者たちが共同生活を通して学問と武術と敢闘精神を学んでいった。実際、「花郎」の存在は新羅の国力を大いに高めた。
さらに、真興王が心掛けたのが民心の安定だった。仏教の布教が効果的だと考え、仏教寺院がたくさん造られた。真興王自身も熱心な仏教徒となり、晩年には剃髪して僧侶のように暮らしたそうだ。
結局、真興王の人生は42年間であったが、三国の統一のために領土の拡張に執着した。こういう国王が『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』では高句麗に対抗する戦略的な国王として出てくる。ピョンガン王女にとっても本当に恐ろしい敵になることだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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