テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』では、ピョンガン王女(キム・ソヒョン)とオン・ダル(ナ・イヌ)の大活躍がめざましい。そんな中で、孤立無援となっているのがコ・ゴン(イ・ジフン)である。
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彼は、桂婁(ケル)部族長であるコ・ウォンピョ(イ・ヘヨン)の息子だ。もともとは、幼いころのピョンガン王女の武芸の師匠だった。そのときからコ・ゴンはピョンガン王女に恋慕していた。しかし、大人になって再会したとき、ピョンガン王女はオン・ダルと恋仲になっていた。
そのことで寂しい思いをしてきたコ・ゴン。彼は常にピョンガン王女を陰から支えていたのだが、それも限界があった。父親は常に悪行を重ねて高句麗の王位を狙っている。そのことを苦々しく思ってきたコ・ゴンだが、彼は桂婁部族長の息子という立場もあった。つまり、将来的には部族を率いていかなければならないのだ。
そんな重圧を受けていたコ・ゴンは、もはやピョンガン王女への恋慕を断ち切らなければならなかった。その表れが、消奴(ソノ)部族長の養女であるヘ・モヨン(チェ・ユファ)に接近したことだ。2人は一夜の契りを結ぶ間柄になった。
それ以降、コ・ゴンは戦略的な行動を取るようになり、部族のためにどう動くべきかを真剣に考えた。その過程でコ・ウォンピョに意見をするようになり、父親が激怒する局面も生んでいた。
その事情はヘ・モヨンも同じであり、彼女は父親からコ・ゴンとの交際を禁じられて謹慎を申し渡された。けれど、そんなことに従うヘ・モヨンではない。彼女はもともと新羅のスパイであったのだが、コ・ゴンに頼まれて新羅に偽りの報告をしている。もはや、彼女はコ・ゴンを頼らなければならない身上となったのだ。
そのことはコ・ゴンも十分に承知している。桂婁部族長の息子として強烈な自意識を持つようになった彼は、目的の遂行のためにピョンガン王女と激しく対立する状況にもなるだろう。そのときに、コ・ゴンは過去の感情を乗り越えて、どう立ち回っていくのか。この男が『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』で不気味な存在になってきた。
文＝康 熙奉（カン・ヒボン）
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