【『風と雲と雨』の黒幕】意外な世子の妻だった趙大妃は何をしたのか

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時代劇の『風と雲と雨』は、パク・シフが演じる王朝最高の占術家チェ・チョンジュンが国王後継問題で活躍する歴史ドラマだが、この中で王家において絶大な影響力を誇っていたのが趙(チョウ)大妃(テビ)であった。女優のキム・ボヨンが重厚に演じている。

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大妃というのは、朝鮮王朝では国王の母を意味しているのだが、彼女は在位中だった哲宗(チョルチョン)の実母であったわけではない。

歴史的に言うと、趙大妃は哲宗の前に即位していた憲宗(ホンジョン)の実母なのである。彼女について、史実に基づいて紹介していこう。

趙大妃の夫は、あまりにも有名な孝明(ヒョミョン)世子である。この世子は、時代劇『雲が描いた月明り』で主役のパク・ボゴムが演じた主人公イ・ヨンのことだ。ドラマが大人気となったので、孝明世子は今の韓国でもとても有名になっている。

『風と雲と雨』ではキム・ボヨンが趙大妃を演じている(写真提供=© 2020 TV Chosun)

物語の鍵を握る重要な登場人物

孝明世子は純祖(スンジョ)の長男で、天才的な才能を持った世子であり、国王になれば名君になるのが確実視されていたが、残念ながら21歳で早世してしまった。

それゆえ、彼の息子が純祖の後を継いで憲宗として即位した。この時点で趙大妃は名実ともに大妃として王族の最長老となった。

しかし、7歳で即位した憲宗は22歳で亡くなってしまい、替わって王位に就いたのが哲宗であった。彼には大妃に相当する女性がいなかったので、趙大妃が引き続き大妃として王族の最長老の地位を守り通していた。

この趙大妃にとって、一番やっかいだったのが安東・金氏(アンドン・キムシ)であった(この一族は『風と雲と雨』では壮洞・金氏〔チャンドン・キムシ〕という名称になっていた)。この一族は実質的な政治権力を握っていた。そのことに心を痛めていた超大妃は、哲宗の後継者問題を利用して安東・金氏の政治的な影響力を排除しようと考えた。

そのあたりは、『風と雲と雨』の後半に入ると、ストーリーの重要な部分になってくる。それだけに、キム・ボヨンが扮する趙大妃も物語の鍵を握る重要な登場人物になっていく。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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