パク・シフが扮する王朝最高の易術師チェ・チョンジュン。彼に執拗にまとわりつくのが、ソンヒョクが演じているチェ・インギュである。
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この男は本当にワルだ。性格が極端に悪く、羞恥心のかけらもない。しかも、残忍だ。チョンジュンの父親で地方高官として立派だったチェ・ギョン(キム・ミョンス)を殺したのも、結局はこのインギュだった。
彼はもともとチョンジュンと同郷であった。コ・ソンヒが演じるイ・ボンリョンとも幼なじみで、インギュは彼女に惚れ抜いていたが、その思いが叶わなかった。ボンリョンがチョンジュンを心から愛していたからだ。
失恋で痛手を受けたインギュは本性をあらわすようになった。根っからの悪人ぶりが顕著になったのだ。
こうして権力者の壮洞(チャンドン)キム氏の手下になったインギュは、チョンジュンに異様な敵愾心(てきがいしん)を持ち、卑劣な行為でチョンジュンを貶(おとし)めようとする。
それだけではない。かつてあれほど愛したボンリョンが哲宗(チョルチョン)の娘であることがわかってからも、彼女にまとわりついて脅迫ばかりしていく。
本当に、インギュは最低な男なのである。
しかし、どんなに悪事を重ねても、インギュにはどこか同情できる余地もある。愛するボンリョンにまったく相手にされないという悲哀も感じられる。
なによりも、インギュを演じるソンヒョクがイケメンすぎるのだ。主役になれるほどのルックスを持っている。
通常、時代劇の悪役といえば、「いかにもコイツならば」と思えるほどに人相がよくない。しかし、ソンヒョクはその逆。とうてい悪人に見えないほど顔が整っている。それゆえ、どんなにインギュがワルでも、徹底的に憎むことができない雰囲気だ。
それが制作陣の狙いかもしれない。悪役らしくない人をキャスティングして、あえてワルを演じさせる。その意外性がドラマをさらに面白くしている。
ソンヒョクが演じるインギュが今後もどんな悪事を重ねるのか。彼の今後の展開に注目したい。
文＝康 熙奉（カン・ヒボン）
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