朝鮮王朝の国王の場合、正室が産んだ王子は「大君(テグン)」と呼ばれるが、側室が産んだ王子は「君(クン)」となる。また、正室が産んだ王女は「公主(コンジュ)」となるが、側室が産んだ王女は「翁主(オンジュ)」と呼ばれる。
このように、同じ王子や王女でも、「正室が産んだのか、あるいは、側室が産んだのか」というのは大きな違いがあった。
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しかし、歴代王の中には正室から王子が生まれないことが何度もあった。そういう場合は側室が産んだ王子が国王になるわけで、側室は後継ぎを絶やさないためにも重要な存在だったのである。
それでは、27人いる歴代王の中で側室に多くの子供を産ませた国王は誰なのか。
ランキング形式にすると、四番目に多くの子供を側室に産ませたのは3代王の太宗(テジョン)であった。
彼は歴代王の中でもっとも剛腕を発揮した強い王であったが、子供の数もとても多く、彼の側室が21人の子供を産んでいる。この数だけでも大したものだが、もっとすごいのは、太宗の正室も8人の子供を産んでいることだ。合計すると29人。とてつもなく太宗は子だくさんだった。
次に、二番目に側室に多くの子供を産ませた国王は2人いて、2代王・定宗(チョンジョン)と14代王の宣祖(ソンジョ)である。この2人の場合、側室が23人の子供を産んでいる。
特に宣祖は、朝鮮王朝の国王の中で初めて側室から生まれた庶子であったが、自分と同じように、側室から生まれた子供をたくさん作っている。
いよいよ、1位の発表だ。
歴代王の中で一番多くの子供を側室から産ませたのは9代王の成宗(ソンジョン)であった。
彼の子供は正室から3人だけ生まれたが、その代わり、9人の側室が合計で25人の子供を産んでいる。この数がナンバーワンだ。
特に、側室の中でも淑儀・洪氏(スギ・ホンシ)が1人で10人も産んでいる。内訳は王子が7人で王女が3人だった。
数多い側室を抱えながら1人に集中して子供を産ませていた成宗。彼は淑儀・洪氏を本当に寵愛していたのだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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