朝鮮王朝の国王は27人いたが、時代劇のファンならばどの国王に一番愛着を感じるだろうか。
もちろん、人それぞれによって愛着を感じる国王は違うだろうが、ドラマ『イ・サン』の人気がとても高かったので、22代王の正祖(チョンジョ)を高く評価している人も多いはずだ。
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この正祖を例にとって、国王は毎日どんな生活をしていたのかを見てみよう。
国王が目を覚ますのは大体朝の5時だ。服を着替えてからすぐに出かけるのが、王族の長老女性に朝の挨拶に出向くことである。
王家の長老というのはとても大切にされ、年下の者たちは徹底的に年長者を敬わなければならなかった。それは国王も同じである。
正祖にしても、王家のしきたりをきちんと守らなければいけない。朝の挨拶はとても大事だったのだ。
食事をした後に、国王がかならず行なうのは朝会だ。この朝会というのは重臣たちを集めて行なう正式な会議のことだ。
そのときに王朝の重要課題についての論議がなされ、国王は最終決定を下していた。
さらに朝会の後に、国王は担当の重臣から業務報告を受け、それに応じてふさわしい王命を発していた。
名君と呼ばれた正祖だけに、その王命はいつもすばらしいものだったことだろう。
午後になると、国王は各地方に派遣されていく官僚たちから挨拶を受け、その際に重要な指示を与えていた。
さらには重要な問題を把握するために、関係する学問をしっかり学んでいた。正祖は大変な勉強家だったので、他の国王に比べて何倍も学問の時間を設けていたことだろう。
他にも、日によって変わる行事がびっしりと組まれているので、国王は行事に合わせて足を運んでいた。
それだけに、国王は大変な激務であった。毎日、気が休めないほどであったという。
そして、国王は最後に再び王朝の長老たちに夜の挨拶をして、寝室に下がって休んだ。
こうして国王の1日は終わったが、正祖も同じような日々を繰り返していたことだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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